環境化学物質から子供たちの脳を守るために② | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2018.10.13

環境化学物質から子供たちの脳を守るために②


科学的栄養学 No.2

環境化学物質が次世代へ影響をあたえているというこの危機的状況から、身を守るにはどうしたらよいのだろうか。
 

まずは、

・内分泌かく乱部物質を今後はつくらないようにすることです。

 そして、

・すでに環境内に蔓延しているホルモン様汚染物質にできるだけ曝露しないようにすることにつきます。


この2点を踏まえた行動を各方面で実践していくしかありません。

 

そのためには、

①環境化学物質に対する科学的研究が進むこと、

②企業による化学物質、製造過程、製品見直しの努力と、行政による環境政策推進、

③各個人による家族ぐるみの自衛策

 が必要となります。

そこで、具体的に私たちに出来ることといえば③になります。


そのためにも、環境化学物質の次世代に及ぼす知識と情報が世の中に常識として定着することです。

発育初期にこうむった化学汚染による障害は取り返しがつかないことになります。

政府や科学者、企業そして各個人が環境化学物質に対して真剣に向き合い、
手立てを講じていくなら、次世代に対する脅威を減らしていけると信じています。

やがて、現在、野生動物や人で顕著にみられる病理現象はやがて影を潜めていくかもしれないのです。


子宮内で曝露した場合には重大で永続的な被害を誘発する恐れのあるホルモン攪乱物質が、
遺伝子を傷つけたり、世代を超えて突然変異を引き起こさないように今こそ真剣に取り組むことです。

そうすれば、母体とりわけ子宮からホルモン攪乱物質を取のぞいていくことにつながるからです。

子どもの健康を守るには、妊娠中の食事に気を配り、X線や殺虫剤などの有害化学物質を避ければよいと多くの女性は考えています。

たしかに、こうしたことを注意するだけでも、アルコールによる神経障害のような病理から胎児を守ることはできるでしょう。

しかし、これから先、子供をホルモン攪乱物質から守っていくには、妊娠中に限らず、数年或いは数十年単位での注意が必要なのです。

というのも、子宮を汚染する有害物質の濃度は、妊娠中の摂取量と妊娠までに体脂肪中に蓄積された汚染物質の量によって決まるからです。

20-30年にわたって母体に蓄積きされた汚染物質は妊娠や授乳を通じて子供に引き継がれていくからです。

これを「継世代毒性」といいます。(つづく)
 

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