環境化学物質から子供たちの脳を守るために③ | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2018.10.18

環境化学物質から子供たちの脳を守るために③


 
科学的栄養学 No.3

低毒性や安全性を宣伝している殺虫剤や除草剤が売られているが、決して安全などと思わないことです。

動植物を死滅させるようにつくられた化学物質はどんなものであれ、思いもよらない害を招く恐れが多分にあります。

果物や野菜などに発生する真菌類を駆除するために開発された化学薬品には、人を含めた動物のステロイド・ホルモンの合成を阻害する恐れがあることが米国環境保護庁の研究で明らかにされています。

むやみに家や庭で殺虫剤を散布するのは、危険この上もないことで、
無責任な行動と言われても仕方のないこと。

疫学的研究によれば、殺虫剤を室内や庭に散布している家庭では、子供やペットの犬に高い率でがんが発生していることが分かっています。

妊婦や小さなお子さんがいる家庭の庭に殺虫剤や除草剤を散布しないこと。

近隣の人にもぜひそう薦めてほしい。

もし、相手が渋るようなら、事情を説明し、せめて殺虫剤や除草剤は手入れの時期だけにしてもらうように。

また、妊婦や子供やペットは殺虫剤や除草剤に近づかないようにすることも大切。

日頃から近隣とは仲良くしよく話し合って交渉しルールを決めておくのもよいでしょう。

こうした一人、一人の活動が「経皮毒」をはじめ身近な環境化学物質に対する関心を高めていくことになるのです。

ともかくも、自分で散布するにせよ、安全をうたい文句にしている業者に頼むにしても、家庭における殺虫剤、除草剤の散布にまつわる危険性を甘く見てはなりません。

使用説明書通りに扱ったからといって曝露の危険性がなくなるわけではないが、少なくなることは確かです。

どうしてもという場合だけにして、使用説明書を注意深く読むことです。

大半の殺虫剤は活性物質と不活性物質との混合物だが、ノニフェノールやビスフェノールAなど、不活性化合物とされてきた化学物質が実は体内で内分泌かく乱物質であることは、是非とも覚えておいてください。

残念ながら、殺虫剤の使用説明書に関する法律によると、製造元には、成分表示に不活性物質の有無まで明記する義務はないのです。

またいわゆる企業秘密が法的に認められているので、企業側は消費者に製品の成分を表示する義務もないのです。

ですから、使用説明書をよく読んでも、内分泌かく乱物質が成分として含まれているかは分からないのです。

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