脳は身体に良い食べ物を選べない | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

「脳科学的栄養学」をベースによりよく生きるための健康づくりに貢献します

薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2018.11.01

脳は身体に良い食べ物を選べない


科学的栄養学 No.6

脳は身体に良い食べ物を選べないのです!

私たちの食べもの好みは子供の時の食生活と、その後の味覚の学習によって形成されます。

お腹の胎児が甘いものを好み、苦い味は避けることはよく知られています。

子供が甘いものを好むのは本能的な要素が強いといわれます。

そして、離乳食から始まる人生の長い食との関わりで好みが形成されていきます。

特に、砂糖と油脂の味は脳の報酬系を強力に刺激するので、病みつきになる危険性があるのです。

みなさんも、あるものをしばらく食べていないと無性にほしくなるということはありませんか? 

これは脳の仕業で食べるとほっと幸せな気分になりませんか(^_-)-☆

おいしいという感覚によって脳内にドーパミンやセロトニン、βーエンドルフィンなどの神経伝達物質が増え、快楽中枢を刺激することによって多幸感を感じます。

この多幸感は、健康への良し悪しとは関係ありません。

でも、これが怖いのです。

これは脳の錯覚であり、丁度、一時的に燃え上がる恋をしたときのように、しばらくして熱が冷めてしまうようなものです。

しかし、食の方は熱が冷めず一生続くことになります。

「病みつき」とか「目がない」とか、「大好き」といって中毒性の食べ物を食べ続けると、生活習慣病やがん、認知症の世界に誘われてしまいます。

現代の食の環境は、おいしく感じさせるための添加物などによってまさに中毒性のリスクにあふれています。

体は欠乏しているものを欲しくなるので、身体の要求に従えばよいといわれます。これは確かです。

これは生理的な体の要求であり、満たされれば体はそれ以上は求めません。

つまり、脳が求める嗜好的な食べ物と、体が生理的に求める食べ物は違うのです。

体に悪い食べ物や飲み物を、脳がチェックしてくれるシステムがあれば私たちは病気にならずに済むのです。

しかし、加工精製した人工的な食べ物は中毒性を持ち、限りなくわたくしたちの脳の報酬系を惑わし、狂わし最後は心身をも破壊します。

そんな食べ物が氾濫しています。

私の公開講座やオンライン講座ではすでにお話ししましたが、食品のラベルを見る習慣を是非身につけてください。

体に良いか悪いかはすぐにわかるのです。

体に悪いものを避けるには、こどものころから旬の自然な食べ物、本物の食べ物で舌と腸に学習させ、味覚を研ぎ澄ます必要があります。

脳は騙せても、舌と腸は騙されないようにしましょう。

 

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