人類と動物は運命共同体である | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

「脳科学的栄養学」をベースによりよく生きるための健康づくりに貢献します

薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2018.11.15

人類と動物は運命共同体である


科学的栄養学 No.10

人類と動物は運命共同体である

これは今から50年ほど前、レイチェル・カーソンが「沈黙の春」に書いた言葉。

「沈黙の春」は、合成殺虫剤の危険性と人類の思い上がりを告発した古典であり、今日の環境問題に取り組む研究者のバイブルでもあります。

ヒトと動物は、環境とともに生命進化のなかで関連しながら培われてきた特性を共有している。

しかし、人は人工的な環境の中で暮らしていると、自分の健康や幸福が実は自然界のシステムに深く根差しているという事実に対する感覚を失いがち。

ところが、人類が様々な環境で精一杯生きていけるのは、そもそも生命を支えてくれている目には見えない無数の自然のシステムに支えてもらっているからです。

そうしたシステムと人類との絆は、野性動物に比べたらはなはだ小さいかも知れないが、そんな人類でも、この地球の生命ネットワークに深く織り込まれているのです。

過去半世紀以上にわたって、人類が地球にばらまいた残留性化学物質は様々な環境破壊や生物の生存を脅かし多大な影響を与えてきたことは事実。

これらのことから、この世の中が深遠で複雑な相互作用から成り立っていることを思い知らされてきた。

住んでいる場所が東京であれ、ニューヨークであれ、農薬が散布された農地や産業汚染地から数千キロメートル離れた北極ですら、ヒトの脂肪組織に蓄積されている残留性合成化学物質が拡散している。

アザラシやホッキョクグマ、セグロカモメ、クジラやイヌイットの人たちからも残留性合成化学が脂肪組織から発見されている。

また、アリゲーター、ヒョウでも同じ。

いずれも、生殖障害やペアをつくらない、育児放棄、卵が孵らない、孵っても育たない・・・などの種の継続に重大な影響を与えている事実が次々報告されている。

運命共同体である人類だけが特別な存在で、こうした脅威から逃れ、独自の運命をたどるのだと思うのはあまりにも楽天的、面倒なことから目を背けているにすぎません。

自分の体内に残留性合成化学物質を入れない知識と知恵と工夫の行動が求められているのです。

環境問題に対する関心はあくまでも一人一人の内発的な意識変革がなければ進むものではありません。

それには、まず自分自身のからだの環境づくりに意識をむけることから、経皮毒をふくめて身近な日用品の使い方、食材の選び方から意識を広げていくほかに近道はありません。
 

COMMENTコメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してぐるっとママ横浜は一切の責任を負いません