断食で脳はガス欠に | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2018.12.23

断食で脳はガス欠に

科学的栄養学 No.21

断食で脳はガス欠に



いつも思うことは、私たちのからだは実に合目的にできている。
糖尿病になると血糖値が高くなる。

これは血中のブドウ糖がスムーズに組織に吸収されないからだ。
吸収の案内役はインスリン。

糖尿病ではこれが不足するか、働きが悪くなるので、ブドウ糖は血中でうろうろしなければならなくなる。

ところが脳だけは例外。

インスリンのご厄介にならなくてもブドウ糖を受け入れることができる。これが生体の面白いところ。

ひとのエネルギー源はブドウ糖と脂肪酸。

筋肉では脂肪酸が主なエネルギー源だが、脳では原則としてブドウ糖に限られる。

ただし、断食が12時間以上続くと、ケトン体と呼ばれる脂肪の不完全燃焼物をつくって、これをブドウ糖の代わりに使う。

朝食抜きで学校や職場に行く人の血中にはおそらくケトン体がかなりの濃度で存在しているだろう。

私たちは1時間に5gずつのブドウ糖がないとお手上げになる。

だから肝臓が気をきかせて、脂肪酸を酸化してケトン体をつくってくれている。

このケトン体なら、ブドウ糖と同様にインスリンがなくても脳に吸収される。

もともとブドウ糖はエネルギー代謝、つまりエネルギーをつくる代謝において重要な役割を担うエネルギー源。

したがって、この供給が不足すると、エネルギー代謝は異常な経路をとるようになる。

ケトン体もこの経路の産物である。

ところで、ブドウ糖が血管から組織に吸収される際にビタミンCも一緒に吸収されます。

実はビタミンCはブドウ糖と一緒でなければ組織に吸収できません。

ですから、朝食抜きだけど、ビタミンCのサプリメント摂ったから大丈夫!とはならないのです。

 

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