人間関係を良好にするオンラインコミュニケーションスキル

オンラインの時代を生き抜く人間関係手法とは?

人間関係を良好にするオンラインコミュニケーションスキル

世界的な感染症のニュースが舞い込んできた、2020年春。

そこから、テレワークの方針が打ち出され、仕事のみならず、日々の飲み会や友人とのお茶までもがオンラインでのコミュニケーションに替わっていきました。

いつの時代も人間関係には悩みはつきものですが、このオンライン化の大きな変化に、
人間関係の観点で戸惑っている人が増えているように見えます。




今までなんとなく、「雰囲気」で察していたことがオンラインではわかりづらいですし、相手の細かい表情をなどをうかがうことも難しくなってきています。

では、私たちは、このオンライン時代にどのようなことを気を付けて、コミュニケーションをとっていくべきなのでしょうか?

このページのコラムでは、日々オンラインで中高生向けの授業を担当し、企業向けのオンライン講師も担当している和泉大が、現代の人間関係を良好にするオンラインコミュニケーションスキルについて皆様の疑問にお答えしていきます。

オンラインならではコミュニケーションの難しさは色々ありますが、
実はたった一つの重要な原則をお伝えするのであれば「参加者の欲求を満たすこと」だけでいいのです。

でも、そのシンプルなことを実行するには、「欲求って何?」「どうすれば欲求は満たせるの?」ということを理解して行動しなくてはなりません。

そのために、人の欲求という観点から私たちの心のメカニズムを説明してくれる選択理論心理学という心理学から人の脳の仕組み、行動の仕組みを理解して活用していきましょう。




プロフィールでもご紹介している通り、私自身も人間関係でたくさんの悩みと失敗を経験してきました。
そして出会った選択理論心理学を学ぶことで、その人間関係構築のハードルはぐっと低くなりました。

今はオンラインでもたくさんの企業様でコミュニケーションやマネジメントを教え、教会では難しい年頃の中高生に聖書を教える時間が毎週ありますが、とても楽しく温かいコミュニケーションが取れるようになっています。

ここでは、選択理論心理士であり、21世紀キリスト教会スタッフである和泉大が、コロナ時代の人間関係について考察し、選択理論心理学や聖書の学びなどを用いて皆さんの日々の生活が向上するヒントを発信していきます。

皆様からのご質問も受け付けておりますので、お問い合わせフォームよりご連絡ください。


 


和泉大(いずみひろし)
選択理論心理士 人材教育トレーナー
1980年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。
 
IT企業役員、人材教育コンサルタントとしてキャリアを積み、
現在は広尾にある21世紀キリスト教会スタッフ、人材教育トレーナーとして活動。
これまで東京商工会議所やブリヂストンなど100社以上の人材教育を担当し、
現役市長やトップアスリートのパーソナルコンサルタントも経験。
 
大学卒業後に始めたNPOで人間関係に悩んで挫折したり、
ITの企業役員時代に鬱を経験して働けなくなったりした経験から
選択理論心理学との出会いによって人生が変わり、
モチベーション、人間関係構築、マネジメント技術を学ぶ。
 
また元上司の社長の影響で2016年にクリスチャンとして洗礼を受け、
神学校大学院にて聖書を本格的に学ぶ。(2021年春大学院修士修了)
 
保育士やキッズ英会話の講師などのキャリアを持つ妻とは6年の交際後に結婚し、現在結婚13年目。
妻とは出会ってから一度も喧嘩をしたことがなく、心理学や聖書の学びを
家庭生活にも活かして愛に満たされた人生を送っている。  
 
【役職】
・日本選択理論心理学会常任理事
・認定NPO法人日本リアリティセラピー協会常任理事
・一般財団法人日本プロスピーカー協会認定ベーシックプロスピーカー
・一般財団法人日本CBMC常任理事
・日本選択理論心理学会認定選択理論心理士
・アチーブメントHRS認定講師

 
 

newsニュース

オンライン授業に子どもが集中するために必要なこと

2021.07.14

オンライン授業に子どもが集中するために必要なこと

オンライン授業に 子どもが集中するために必要なこと 東京では残念ながら新型コロナウイルス感染拡大により四度目の緊急事態宣言に入ってしまいました。 オリンピック史上初めての無観客開催の競技も多くなるようですし、この先もオンラインでのコミュニケーションは欠かせない時代に入っていますね。 さて、今回はオンライン授業に子どもが集中するために必要なことをテーマに書かせていただきます。 これは子どもに限ったことではないので大人にも当てはまるテーマですね。 でも子どもの方が集中力が切れやすかったり、大人のように我慢が出来ない子も多いですから、どうしても子どもが集中してやっているかどうか、さぼったりしていないかが気になってしまうわけです。でもそこで親が干渉しすぎたり、怒ったりしすぎてしまうと台無しです。 子どもはオンラインの先にある内容よりも、親のことや周りの環境が気になってしまって肝心な中身が入ってこなくなる危険性もあるでしょう。 私は普段、企業研修の講師としてオンラインで研修をリードさせていただくだけでなく、キリスト教会でユースと呼ばれる中高生を対象にした礼拝で毎週オンラインでメッセージをしています。 担当してまもなく丸1年になりますが、実は最初は本当にどうしていいか分からないような状態でした。 わずか数名の集まりなのですが、時間に遅れてきたり、連絡がないまま欠席だったり、リアルに集まっていた時よりも集中して礼拝を進めるのが余計に難しくなっていました。 中高生になると、小学生よりは集中力が続くのですが、多感な時期でもあり、他にも面白いことはいっぱいあるので「毎週礼拝に参加したいな」と思ってもらうところから考えなくてはなりません。礼拝は約90分でやることが多く普段の授業よりも圧倒的に長い時間です。 そこで聖書に書いてある言葉を必ず扱うのですが、それも必ずしも面白くて分かりやすい内容ばかりではなく、むしろ難解で分かりづらい言葉を扱う時もあります。 それでも一緒にユースを担当してくれるSさんと工夫しながら改善を繰り返し、今では毎週楽しく、皆も喜んで参加してくれるようになりました。心理学的にもポイントをまとめていきながら、皆さんの子育てにもお役に立てていただければと思います。   【ポイント①安心感】 まずオンラインでの顔を合わせたコミュニケーションですが、子どもによってはそれ自体に苦手を持つ子もいたようです。 LINEで一対一でビデオをオンにして話すようなことはあっても、一体複数でオンラインで参加型のものは初めてで「嫌だな」と思っていた子もいました。  そこでいつも最初の時間はいかに安心感を持ってもらうかを意識しながら始めています。 だいたいまずは「先週はどうだった?」というオープンな質問から始めるのですが、最初のころはそこでポジティブな話が出てくることも稀でした。 よくある答えは「普通でした。」です(苦笑)。 その答えだと何も分からないのですが、それでも一切の否定はしません。「普通かー、それは良かったね。 大人になってくると普通であることがどれだけ有難いことか良くわかってくるよ。」なんて言いながら、次の子にも聞いていきます。 そしてSさんと私も同じく先週の体験をシェアします。 その時に気を付けていることは「等身大」「正直」ということです。 もちろん良かったことや出来たことなどもシェアするのですが、例えばちょっと落ち込んでしまったりしたこととか、嫌だったことなども話します。 そうすると自分から話はしなかった子でも「分かる~。」とか「先生でもそういうことあるんですね。」なんていう言葉が子どもたちから出てきたりします。 そういう言葉を聞いて感じるのは、学校や様々な場面において子どもたちの中に「良いことを言わなければいけない」「立派なコメントをしなければいけない」「ネガティブなことを言ってはいけない」なども意識が出来てしまっていて、自分の本音をいうことに制限をかけて生きてしまっている子が多いということです。 特に公の場や人がたくさんいる場所などではその傾向が強いようです。 私もあえてネガティブな意見を引き出そうとは一切しないのですが、無理にポジティブな考え方を持たせることもしません。 それよりも子どもたちがまず本音で安心して話せる関係づくりと環境づくりを意識しています。 そうすることで参加に対するハードルが下がり、繰り返していくと子どもたちから困っていることや悩んでいることを率先して話してくれるようになってくるの実感しています。 そうすると初めて参加した子どもも、ほかの子どもたちがネガティブな思いも正直に話していたり、しかも笑いながら話している姿なんかを見て、なにか他の場所とは違う安心感や自由さを感じてくれるようです。 これは前回のコラムで書いた欲求を満たすというテーマを見ていただければ分かりやすいのですが、「生存の欲求」「自由の欲求」を満たしやすい環境づくりをしています。   【ポイント②アイスブレイク】 オープンな会話からはじまって毎回和やかな雰囲気になるのですが、それでもアイスブレイクは毎回時間をとってやっています。 今のユースメンバーには中学校3年生や、高校3年生の子も多いため、将来の仕事や夢についてゲストを呼んでその人の体験を話してもらうことも多くあります。 中高生の多感な時期には、一人でも初対面の人がいると緊張してしまう子もいるので、アイスブレイクでゲームをしながら一緒に楽しんだり、その人の性格を知ることで話を聞きやすくするのも狙いです。 アイスブレイクはSさんがいろんなことを考えて準備をしてくれるのですが、クイズやイラストを描くゲームや参加者に対する質問ゲームなど気楽に楽しみながらやれるものばかりです。 この時間があるために、先週勉強が大変だった時も、テストの点数が悪かったりして落ち込んでいるときでも、笑いながら一気に心の距離をまた縮めることが出来ています。 そして実はこれは子どもから出てきた意見でした。 それまで私は子どもたちが知らない大人の人が話す事に対してそんなに緊張するんだということが分からずにゲストを呼んで話してもらうことがあったので、この意見にとてもハッとしました。 アイスブレイクの効果は絶大で、繰り返していけば少しずつお互いの趣味や好きなことも理解できるようになっていて、人間関係が毎回深くなっていくのを感じます。 これは「愛・所属の欲求」「楽しみの欲求」を満たすことを意識した環境づくりです。ウェブで出来るアイスブレイクなども調べてみると活用できるものもたくさんありますので試してみてください。   【ポイント③内容の理解を助ける】 アイスブレイクが終わると当日のメインセッションに入っていきます。 ここまでで十分子どもたちの心の壁はなくなっていますので、話に集中しやすい環境が出来ていることになります。 なので少し難しい聖書の学びや大人の体験談も期待をもって聞いてくれる姿勢が出来ています。 ただ、それでも中高生がオンラインで難しい話を聞けるのはだいたい20分ぐらいが限度のように感じています。 そして話が終わった後には、必ず一人ずつ「どう感じたか?」を自由に発言してもらうようにしています。ここが90分の中でも最も大事な時間といっても過言ではありません。 なぜならこちらが「伝えたいこと」が「伝わっている」とは限らないためです。 具体的に言えば、こちらが伝えたいことが「神様は私たち一人一人を特別な存在として造ってくださっているんだよ」だとしても、子どもたちが「自分は○○さんのようには出来ないと思った」という他人と比較する思考習慣があって自分の価値を下げてしまう受け取り方をしている可能性もあるわけです。 でもこの発言自体が出ることは良いことです。なぜなら冒頭の「ネガティブな意見でも言ってもいいんだ」という安全安心な環境が出来ているからこそ出てくる発言だからです。 なので発言してくれたことにまず感謝を伝えます。 そのうえでもう一度こちらが「伝えたいこと」を伝え、健全な価値観を持てるように手助けします。 基本的には子どもたちが社会で生きていくために必要な自己肯定感や愛をはぐくめるようにする内容を意識してメッセージの準備や環境づくりをしています。 ここではいろんな欲求を満たすことが多いですが、特に多いのは「力の欲求」を満たすことだと思います。 これは「価値の欲求」と呼ばれることもあり、自分自分の価値を認識することで人はやる気になったり前向きになったりすることが出来ます。 【ポイント④当事者意識】 最後に子どもたちが何かを「受ける側」で終わることなく一緒に「つくる側」に回ってもらうことを意識しています。 そのために最後のお祈りや、欠席した友だちのためのお祈りなどは子どもたちにお願いしています。 そうすることで自分たちのための時間なんだということが認識することができて、徐々に自分だけではなく周りの子どもたちのことも気にすることができるようになってきます。 子どもたちがお互いのために心をこめて祈っているところを見ると、むしろ私たち大人の方が感動して学ばせていただくことも多いです。 普段から私たち大人も、「この時間はみんなのためのもの。みんなが主役の時間」というように意識しており、そうはいっても最初は義務感や仕方なくという感じが強かったですが、これも子どもたちを信じて言い続けてきたために徐々に浸透してきたのが実際のところだと思います。 さて、ここまでお読みいただいていかがでしたでしょうか?今回は教会での礼拝ということで少し特殊な事例でしたが、学校の授業でも基本的にはこの「欲求を満たす」という観点から集中できる環境を考えてあげることをお勧めします。 学校の授業がいざはじまってしまうと親にはできることはあまり無くなってしまうかも知れません。 そうした場合は授業の「前後の環境づくり」が重要になります。大人でもオンラインで何かを見続けるには集中力がいりますから、例えば今回のことを活かしてはじまる前は親子でシェアする時間を取ったり、終わった後は感想をアウトプットさせてあげるなど工夫をしてみてください。 集中力をあげる工夫だけでなく、集中力を阻害する要因を取り除いてあげることも大切です。安心して話せる親子関係があれば、集中できない原因も必ず見つかることと思います。 今回はコミュニケーションというテーマで書かせていただきましたが、それ以前に子どもの部屋や学習机の環境と整えたり、本人の高い欲求に合わせて変えてあげるだけでも効果は現れてくるでしょう。  

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オンラインコミュニケーションが上手く行く、たった一つの原則とは?

2021.06.13

オンラインコミュニケーションが上手く行く、たった一つの原則とは?

昨年から急にオンラインでのコミュニケーションが増えて、私も面会や打ち合わせ、研修講師などの8割がたはオンラインで実施するようになりました。 私は、以前から人材教育トレーナーとして様々な企業でコミュニケーションに関する研修をしてきましたので、オンラインでのコミュニケーションになってもそれほど強いストレスは感じませんでした。 それでも、最初は戸惑うこともありましたし、「これで本当に相手に必要なことが伝わっているのかな?」と不安に思うこともありました。皆さんと同じように一刻も早く世界中がウイルスの不安から解放されて、リアルで自由に会えていた状況に戻れるようにと願っています。 最近では新型コロナウィルスに対するワクチン接種もはじまり、イスラエルではすでにマスク着用義務がなくなるなど希望も見えてきていますね。 では、新型コロナウイルスへの対策が万全になされたらコミュニケーションスタイルも元通りになるのでしょうか? 私はそうは思いません。リアルで自由に会えるようにはなりつつも、オンラインコミュニケーションが当たり前になった今、この利便性や効率性は企業活動において欠かせない存在となっています。 オンラインが苦手だった世代でもこれを機に様々なツールを使いこなせるようになったため、オンライン食事会、オンライン帰省、オンラインお見合いなどプライベートにおいても今後も活用され続けることと思います。 そればかりか、今後はますますITやAIの技術が発展していきます。オンラインコミュニケーションは例えば3Dになったり、より臨場感が出るようになったりしながら本格化を増してくると思われます。昔SF映画で見たような世界がまさに私たちが生きている時代に実現してくるなんて、ワクワクしますね! そこでコラムの初回は、オンラインコミュニケーションが上手くいく、たった一つの原則についてまずご紹介したいと思います。これはオンラインだけではなく、リアルコミュニケーションにも共通するところがありますので、これを知るだけであなたのコミュニケーション能力が上がること間違いなし!です。 さて、たった一つの原則というと「本当にそんな上手い話あるの?」と思うかも知れませんが、実はとてもシンプルな事なのです。 ズバリそれは、『参加者の欲求を満たすこと』です。 何かオンラインでの面会やイベントが終わったときに、そこに「参加している人全員の欲求が満たされた状態」になっている。 これが理想の状態です。 例えばそれがある人には「とっても楽しかった」かもしれないし、「新たな学びがあった」かもしれないし、「心が癒された」かも知れません。参加者の多い少ないに関わらず、参加した人の欲求が満たされた状態で終わることができれば、「またやりたいね!」「今度はこういう事を話そう!」と未来に繋がる状態が出来るでしょう。 逆に参加者の欲求が満たされない会は続きませんし、「もうこの人の話は聞きたくない」、「また我慢して参加するの嫌だな、、、」となってしまいます。 では、ここで大事なポイントです。参加者の欲求をどのように捉えたら良いのでしょうか? 私が学んでいる選択理論心理学では、人間をこの「欲求」という観点から捉え、「人がなぜ、いかに行動するのか?」を説明しています。 選択理論心理学の提唱者であるウイリアム・グラッサー博士はユダヤ系アメリカ人の精神科医でした。私も一度お会いしたことがあり、2013年にお亡くなりになりましたが、アメリカ・カウンセリング学会で「カウンセリング界の偉人賞(Legend Counseling Award)」を受賞されるなど世界的に評価されている素晴らしいリーダーでした。この選択理論心理学はカウンセリング、マネジメント、学校教育、パーソナルウェルビーイングなど様々な分野で今も活用され続けています。 グラッサー博士によれば、私たち人間は生まれながらにして遺伝子に「基本的欲求」が組み込まれていて、その欲求を満たそうとして行動するようになっています。 そしてこの基本的欲求とは、「生存」「愛・所属」「力」「自由」「楽しみ」の5つです。         生存の欲求の強い人は「健康で長生きしたい、安全・安定していたい」という欲求が強い傾向があります。例えば、食材に気を使っていたり、睡眠をしっかり取らなければいい仕事が出来ないという考えがあったり、急な変更を嫌うような性格を持っています。 愛・所属の欲求の強い人は「愛したい、愛されたい、どこかに所属していたい」という欲求が強い傾向があります。例えば、人と一緒にいるのが好き、人から愛されたい、愛している人と常に一緒にいたいという性格を持っています。 力の欲求の強い人は「勝ちたい、負けたくない、認められたい、達成したい、人に貢献したい」という欲求が強い傾向があります。例えば、勝負事にこだわる、何かを成し遂げたい、人から称賛されるのが好きというような性格を持っています。 自由の欲求の強い人は「自由でいたい、自分で決めたい、創造性を発揮したい」という欲求が強い傾向があります。例えば、ルールに縛られたくない、新しいことに常にチャレンジしていたい、経済的自由を手に入れたいというような性格を持っています。 楽しみの欲求の強い人は「楽しみたい、学びたい、成長したい」という欲求が強い傾向があります。例えば、人を笑わせるのが好き、学び成長するのが好きというような性格を持っています。 皆さんご自身は、どの基本的欲求が強いと思いますか?また配偶者やお子様などご家族はいかがでしょうか?この5つの基本的欲求は『どれか』だけではなく『5つ』ともすべての人が持っているものです。 しかしながら、その強弱が人によって違います。それを欲求プロフィールと言います。その人の欲求の違いによって何に興味を持つのか、何が好きなのか、どんな風に欲求を満たしていくのかが違ってきます。この基本的欲求は変わらないと生まれてから大人になってもグラッサー博士は仰っており、日本でも昔から「三つ子の魂、百まで」なんて言われていますが生まれ持った性格というのも実際にあるようです。 しかも自分の子どもだからと言ってこの欲求プロフィールは親から引き継ぐものでも無いようで、子どもの欲求の強弱を把握して関わってあげることは子育てにとってもとても有効な関わり方です。 私は個人的に神様を信じているクリスチャンですので、神様が私たちを一人ひとり違うデザインとして個性を持たせてくださり、それがこの基本的欲求の強弱にもあらわされていると感じています。 ちなみに余談ですが、グラッサー博士が来日された講演会である参加者が「欲求はなぜ5つなんですか?」と質問をしたそうです。そうするとグラッサー博士は「私は5つだと思うんです。」と答えたそうです(笑)。 「それ以上あるかもしれないし、それ以下かも知れない。」と。 実は以前、アメリカ本部の先生方で6つ目の欲求が無いか検討されたことがあると日本選択理論心理学会の柿谷正期会長から伺いました。 それは「信じる」という欲求だったそうです。ただ、その時は「信じる」というのは欲求ではなく行動だという事になり、認められなかったようです。 でも確かに私たち人間には、誰でも「相手を信じたい」「子どもを信じたい」「未来を信じたい」「神様を信じたい」などの思いがありますね。 選択理論ではこの5つの基本的欲求がバランスよく満たされている時に、私たちは幸せを感じると言われています。 そのため、オンラインのコミュニケーションでもこの5つの基本的欲求が満たされる進め方がとても重要です。参加者が何を求めて参加しているのか、参加している人にどの欲求が高い傾向があるのか、それを意識しながら時間を過ごすことでお互いの欲求が満たされてとても幸せな時間にすることができます。 もちろん自分の基本的欲求が満たされることがとても大事ですので、自分の欲求の高さを認識しながら時間を過ごすようにしてみてください。 オンラインコミュニケーションで私が意識して実践している5つの基本的欲求の満たし方を一部ご紹介しておきます。 【参加者】 生存の欲求:休憩時間をリアルコミュニケーションより早めに取る、次の予定を気にしてあげて10分前には終わるようにする、アイスブレイクや休憩明けに座りながらできる運動を一緒にやる。 愛・所属の欲求:相手の名前を呼んであげる、意識して手を振るようにする、相手の画面背景や部屋などに興味を持つ。 力の欲求:良い発言をしてくれたら取り上げて皆で拍手やスタンプをする、「さすが!」や「○○さんは違いますね。」などの言葉がけを意識する、一言でも良いので発言してもらう。 自由の欲求:可能なものは途中参加途中退出OKにする、背景など自由に設定して良いようにする、画面オフ・ミュートでオブザーブなども可能な限りOKにする。 楽しみの欲求:率先して笑う、いじれるものや発言をいじる、困ったときはこの人に振れば場がなごむ人をみつけておく。 【自分】 生存の欲求:必ず好きな飲み物を用意して参加する、手軽にできるマッサージ器具など用意しておく。 愛・所属の欲求:自分の好きなことや気になっていることを発信してみる、見ていると気分よく参加できそうな人の画面を固定したり大きく表示する。 力の欲求:主催者に協力して貢献をする、MTGや面会の目的を確認して達成する。 自由の欲求:ミュートで良い時はBGMに好きな音楽を流しながら参加する、できるものは画面オフや画面の外に出てくつろいで参加する。 楽しみの欲求:興味の湧かないものは不参加を表明する、個人的な感覚としてオンラインの方がくだらない冗談を言っても皆さん反応してくれる感じがします。 皆さんもそのオンラインコミュニケーションがどんな目的の時間なのか、参加者は何を求めているのかを考えて実行してみてください。 また、オンラインコミュニケーションの方がいろんな所に視点や配慮をしなくてはいけないケースもあり、比較的身体が疲れやすい傾向にあるようです。 決して自己犠牲的にならずに、まず自分の欲求充足をしっかり確保しながらオンラインコミュニケーションの活用をしていきましょう!  

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INFOインフォメーション

名称 人間関係を良好にするオンラインコミュニケーションスキル
(ニンゲンカンケイヲリョウコウニスルオンラインコミュニケーション)
住所 東京都東京都渋谷区広尾
公式URL https://21ccc.jp/
和泉 大
和泉 大

選択理論心理士 人材教育トレーナー
1980年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。
2016年にクリスチャンとして洗礼を受け、神学校大学院にて聖書を本格的に学ぶ。(2021年春大学院修士修了)

保育士やキッズ英会話の講師などのキャリアを持つ妻とは6年の交際後に結婚し、現在結婚13年目。
妻とは出会ってから一度も喧嘩をしたことがなく、心理学や聖書の学びを
家庭生活にも活かして愛に満たされた人生を送っている。