里親、横浜市、児童養護施設、里親制度

横浜市版 里親制度の要件・お金・期間

あまり知られていない横浜市の里親・里子事情

 
 
様々な事情で家族と暮らすことのできない子どもが横浜には約700人います。
 
■里親制度とは?


【里親制度の種類】
里親制度には4種類あります。
 
①養育里親 養子縁組を前提としない里親
②養子縁組里親 養子縁組を前提にしている里親
③親族里親 親以外の親族(祖父母・叔父・叔母など)が養育する里親
④専門里親 虐待などの心のケアを専門的に行うことができる
専門知識のある里親
 
養育里親が一番登録数が多く、委託世帯も多いのが現状です。
養育里親は、実の親が養育できるようになった場合、実の親の元に戻ることが前提となります。そのため養育里親は里子の親権を持ちません

養子縁組里親は、養子縁組を前提としており、今後その児童の親権を有することを希望する親が登録します。

 
■数字で見る里親
養育里親登録数:11,047名
委託里親:3,627世帯
委託児童:4,456人

養子縁組里親登録数:5,053世帯
委託里親:351世帯
委託児童数:344人

引用:令和3年10月 厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課里親制度資料集

養育里親や養子縁組里親に登録したとしてもすぐに里親になれるわけではありません。約1年ほどの研修を受け、里親として認定されてから対象となる子どもとマッチングし、面会等の交流を経て、里親委託が決定します。
■里親として子育てする際のお金

養育里親として子どもを預かった際、児童1人につき月額9万円の「里親手当」が支給されます。
加えて一般生活費(食費、被服費等。1人当たり月額)乳児(※1) 60,110円、 乳児以外 52,130円支給されるため、子どもを養育する費用で困ることはありません。
※1:乳児とは、1歳未満児のこと
出典:令和3年10月 厚生労働省 子ども家庭局 家庭福祉課里親制度資料集

 
1歳の子を受け入れる場合の里親手当 
9万+一般生活費5.2万=14.2万円/月

※別途子の年齢によって支給される補助あり

毎月14万円が支給されるため、里親になったことが原因で家族が経済的に困窮することはほぼないと言ってよいでしょう。

 
Q・塾の費用や修学旅行の旅費などはどうなるの?
A・里子の年齢などによりますが規定により塾や修学旅行費は実費で支給されます。里子だからといって、塾に通う希望が通らないといったことはありません。     
 
■里親になるための要件


里親になるためには、要保護児童の養育についての理解及び熱意並びに児童に対する豊かな愛情を有していること。
経済的に困窮していないこと、そして里親本人又はその同居人が以下の欠格事由に該当していないことが挙げられます。
 
里親の欠格事由
〇禁固以上の刑を執行中又は執行猶予期間中ではないこと
〇児童福祉法、児童買春、児童ポルノに係わる行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律及びその他の国民の福祉に関する法律の規定により罰金以上の刑を執行中又は執行猶予期間中ではないこと
〇児童虐待又は被措置児童等虐待を行っていない又は児童の福祉に関し著しく不適当な行為を行っていないこと

つまり、様々な事情で家族と一緒に暮らせない子どもを、家族として迎え入れたいという温かい思いがあれば要件を満たしています。

 
■里親として子どもを迎えるケース

里親として委託される期間は人それぞれ異なります。
その理由としては里子の就職(養育期間の満了)により里親から独立するケースや、実の親が養育可能な状態になることなどが個人の事情によるものであるためです。横浜市の養育里親の委託例をご紹介します。

ケース① 30代夫婦+里子4歳児
⇒(乳児院から)4歳時に引取。今後小学校に上がるまで養育し、その後は親元へ戻る。
委託期間:2年程度を予定

ケース② 40代夫婦+里子乳児
⇒(病院から)0歳時に引取。実親が引き取れる状況になるまで長期間養育の予定。
委託期間:5年以上を想定

ケース③ 50代夫婦(実子あり)+里子高校生
⇒(実親の長期入院により)高校2年時から2年間養育、その後独立。
委託期間:2年間

 
Q・乳児を迎え入れたい、小学生を迎え入れたい、性別を選びたいなど要望が通りますか?
A・里親に登録されると、里親に対して意向調書(性別・年齢・障害の有無等)の提出を求めています。基本的にはその内容と里親を必要とする児童の状況が合えばマッチング成立となります。     
 
■里親の期間
里親は一般的には、実の親が養育可能になるまで、もしくは子が18歳になるまでが養育期間となります。10年以上里親を務めるケースもあれば、短期の場合もあります。
あまり知られていないのが、一時的に子どもを受け入れる里親である「短期里親」についてです。

短期里親は3ヶ月~2年程度の里親になります。親が入院してしまうなど様々な事情で養育できないケースの場合短期里親を担うことがあります。
長期にわたる里親は自信がないけど、まずは短期から受け入れたいという要望を出すことも可能です。

また、18歳を超えて引き続き里親の家で住めるような制度もあります。奨学金・初年度納入金などの補助を活用して大学等の進学も可能です。中高生の里子の自立を支援する意味で里親を務めることも可能です。
 
Q・中高生の里子って養育が難しいのでは?
A・実親との感情のもつれで家を出ているケースもあります。また、実親の養育能力に問題がある場合もあり、里親と暮らすほうが望ましいというケースもあるのです。
施設は決められたルールがあり、中々なじめずに思うような生活ができない事例や、自室を持って勉強や趣味に集中したいという理由で家庭養育を希望する中高生がいます。中高生だから難しいというわけではありません。       
 
■里親になるには
里親になるためには、お住まいの区の児童相談所に電話で問い合わせることで説明を受けたり、資料請求することができます。

○中央児童相談所(鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区にお住いの方)
南区浦舟町3-44-2
TEL:260-6510、FAX:262-4155

○西部児童相談所(保土ケ谷区、旭区、泉区、瀬谷区にお住いの方)
保土ケ谷区川辺町5-10
TEL:331-5471、FAX:333-6082

○南部児童相談所(港南区、磯子区、金沢区、戸塚区、栄区にお住いの方)
磯子区洋光台3-18-29
TEL:831-4735、FAX:833-9828

○北部児童相談所(港北区、緑区、青葉区、都筑区にお住いの方)
都筑区茅ケ崎中央32-1
TEL:948-2441、FAX:948-2452


 
Q・実子と兄弟のように育てるケースはある?実子が何歳くらいならうまくいくの?
A・実子と里子を兄弟のように育てるケースはあります。例としては第2子を考えようとしたが、高齢出産の時期や病気等により出産が望めない方が里親として第2子として育てていただけるケースです。
うまくいくかというよりは第1子にも負担にならないよう丁寧なヒアリング等を行い里親の考えや受入後の生活を確認していきます。実子と年齢が離れたケースでうまくいくこともあれば、一緒に遊べるような年齢の近い児童を受け入れるケースもあります。
 
■まとめ
・横浜には実親と暮らせない子どもが約700人いる
・里親をすることでお金に困ることはほぼない
・自分の暮らしのペースを考慮し、年齢や養育期間の希望を伝えることができる。
・里親になるための第一ステップは区管轄の児童相談所に電話して説明を受けること

横浜市は、ひとりでも多くの子どもの笑顔のために、里親になってくださる方を募集しています。

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INFOインフォメーション

名称 あまり知られていない横浜市の里親・里子事情
(ヨコハマシノサトオヤサトゴジジョウ)
住所 〒231-0005 神奈川県横浜市中区本町6-50-10 アクセス
公式URL https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/oyakokenko/satooya/satooyaseido.html

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