元プロ野球選手、プロ野球コーチの尾花髙夫さんから野球に携わる人や選手たちへメッセージです。

子育ての目標は子が自立・自律できるようになる事。

尾花髙夫が伝えたいこと。~指導者の皆さんへ~

子育てにはリハーサルはありません。常に本番です。親の欲求を押しつけるのではなく、子供にとって何が最善かを常に考えて支援してあげて欲しいと思います。
そのためにも、夫婦が仲良くお互いを尊敬し合う関係を子供達に見せてあげて欲しいと思います。子供にとって、両親が仲が良いという環境が一番幸せなのです。

子供にとって親は人生最初の先生です。

親は子供のお手本となるような行動を取る事が大切だと思います。挨拶・返事を気持ちよくする。ルールや約束は必ず守る。
礼儀や秩序を重んじる。そして、2つのジリツ。自立と自律が出来る子供に育てば、親の役割は果たしたことになると私は思います。

「自立」とは、自分で稼いで自分で生活出来るようにすることです。

自立するためには働き、そして、その対価としてお金をもらい、そのもらったお金の範囲で生活をする。これが社会の基本です。
お金は生活する上においてとても大切なものですが、この大切な事を学校では教えてくれません。
これが不思議です。学校で教えてくれない分、家庭でシッカリ教えることが大切だと思います。

お小遣いもむやみにあげるのではなく、お手伝いの対価としてあげるようにしておくと、子供はお金の価値が分かり無駄遣いをしなくなります。
掃除をしたり洗濯物をたたんで部屋に持って行ったり、後片付けやお皿洗いをしたり、お遣いなど、お手伝いはたくさんあります。
実際、私の所もお手伝いの代価としてお小遣いをあげていました。

それと、お遣いに行って10円・20円とおつりがあるとき、そのままお駄賃として渡すときがあると思いますが、私の所ではおつりはいったん受け取ってから、
お駄賃をあげる時は「ありがとう、これお駄賃」と言って渡すようにしていました。
これは、おつりを貰わずそのままお駄賃として渡す習慣がつくと、返さないでお駄賃としてもらうのが当たり前になってしまうと考えたからです。

私の所では、家庭内でのお金の貸し借りもキチンと精算するようにしています。
他人行儀と思われるかも知れませんが、お金は多い・少ない、他人・身内にかかわらずキチンと綺麗にすることが、信頼に繋がると思うからです。
周りの人からするとちょっと異常かも知れないですね。

「自律」とは、ものの善悪が判断でき自分を律する事が出来るようにすることです。

子供は、嘘をついたり・悪口を言ったり・ルールや約束を守らなかったり・意地悪をしたり・友達を叩いたりと、無意識にすることがあります。
こういうときにキチンと教えることが大切だと思います。
頭ごなしに怒鳴ったりすると子供が親に恐れを持ったり、反感を持つことになりますので、子供の言い分を良く聞いてあげて、親の気持ちを伝えることが大切だと思います。

「パパはママはこう思うよ」と子供に親の気持ちを伝えれば、物の善悪の判断が付くようになって、自分を律するようになると思います。面倒がらずに子供達と接することが大切ですね。

第4回「私の子育て」インタビュー 尾花髙夫氏×ぐるっとママより
 


 


 


-経 歴-

 

・1957年     和歌山県生まれ。
・1976年2月 大阪私立PL学園高校卒業。甲子園を目指すも1回も出場出来ず。
・1976年4月 新日鉄堺製鉄所に就職。2年間在籍し、都市対抗・日本選手権に出場。
・1978年 ドラフト4位でヤクルト球団入団。現役を14年。通算成績は、112勝135敗29セーブの成績を納める。
現役中、押し出し0はプロ野球記録。リーグ優勝1回。日本一1回経験。
・1992年 フジテレビジョン入社。プロ野球ニュースの解説を3年行う。
・1995年~ 千葉ロッテマリーンズ 1軍コーチ。日本で初めてのGMに就任された広岡達郎さんにコーチ要請を受ける。 監督はボビーーバレンタイン。
・1997年~ ヤクルトスワローズ 1軍コーチ。野村克也監督の下、リーグ優勝1回。日本一1回に貢献。
1999年~福岡ダイエーホークス 1軍コーチ。王貞治監督の下、リーグ優勝3回。日本一2回に貢献。
・1999年~ 福岡ダイエーホークス 1軍コーチ。王貞治監督の下、リーグ優勝3回。日本一2回に貢献。
・2006年~ 読売巨人軍 1軍コーチ。原辰徳監督の下、リーグ優勝3回。日本一1回に貢献。
2010年~横浜ベイスターズ監督就任 (2年連続最下位。球団身売りのために契約途中で解雇)
・2010年~ 横浜ベイスターズ監督就任 (2年連続最下位。球団身売りのために契約途中で解雇)
・2012年 充電期間。選択理論心理学とアチーブメントテクノロジー(達成の技術)を学ぶ。
・2013年~ 読売巨人軍 2軍コーチ。1軍のリーグ優勝2回に貢献。
・2014年 イースタンリーグ優勝。チーム防御率、イースタンリーグ1位。
JPSA日本プロスピーカー協会 ベイシックプロスピーカーの資格収得。
・2016年~ 読売巨人軍 高橋由伸監督の下、2年間1軍コーチ。
・2018年 読売巨人軍編成部に配属。
・2019年 秋田私立明桜高校野球部総監督兼投手コーチ就任。夏の甲子園予選、優勝1回・準優勝1回。
2020年 選択理論心理士の資格収得。
・2021年~ 東京ヤクルトスワローズ 2軍投手チーフコーチ。1軍のリーグ優勝2回。日本一1回に貢献。
・2023年 東京ヤクルトスワローズ退団。
  現在は、選択理論心理士JPSA日本プロスピーカー協会 ベイシックプロスピーカー
ノースアジア大学客員教授として活動している。

 

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尾花高夫から、ご両親や指導者に伝えたい事

2023.11.17

尾花高夫から、ご両親や指導者に伝えたい事

ご両親や指導者の皆さんにお願いです。 子供には無限の可能性や能力があります。 その可能性や能力を引き出すような関わりをしてあげて下さい。   皆さんこんにちは。尾花髙夫と申します。 私はプロ野球の世界で、現役を14年、指導者として25年選手とか関わってきました。プロ野球は、活躍できる選手と活躍できない選手に分かれます。 特に指導者になってからは、活躍できる選手と活躍できない選手の差は何だろう?何が差になるのだろう?ということをよく考えるようになりました。 我々の世界は皆さんもご存じのように、ドラフト制度で成り立っています。 しかし、ドラフト上位の選手が必ずしも活躍するとは限らない事やドラフト下位の選手でも多くの選手が活躍をしています。 何が差になるのか?私なりに考えて出した結論は「考え方の質」と「行動の質」・・これが活躍できる選手と出来ない選手の差になるんだ・・ということでした。 そこで私は、野球選手を方程式にしたらこうなるのではないかと思い作って見ました。 それがこれです。「素質×考え方×行動=仕事の質」 野球選手の素質とは4つあります。①肩が強い ②遠くに飛ばせる ③球が速い ④足が速い です。 素質は変えることは出来ません。しかし、「考え方」と「行動」は自分の意思で変えることが出来ます。今すぐにでも変えることが出来ます。 素質が一流、考え方も一流、行動も一流ならば、仕事の質は超一流になるはずです。 しかし、素質が一流でも、考え方と行動が二流であれば、仕事の質は二流で終わってしまいます。 逆に、素質は二流でも、考え方と行動が一流であれば仕事の質は超一流にはならないかも知れないけれども、一流にはなれると思っています。 つまり、何が大切かということです。野球選手にとって「素質」は大切な要素の一つではあります。 しかし、もっともっと大切な事は考え方と行動が目標達成に直結しているのかどうか?これが仕事の質の差になるということです。 活躍できる選手と出来ない選手の差になるということです。 考え方の質を高めるために大切な事は ①求めるものを明確にする(目的を明確にする) ②目的を成し遂げる為の目標を設定する。 ③目標を達成するための計画を立てる。 この3つです。 行動の質を高めるために大切な事は ①目標達成に直結した行動を取る ②プライオリティーマネジメント (優先順位をつけ、重要度の高い行動から行う) ③自発的な行動を取る この3つです。 これは、野球だけではないと思っています。他のスポーツでも勉強でも、どう考え、どのように行動するかがとても大切だと思います。 「自分は何を求めているのか?」「将来どうなりたいのか?」これを明確にし、それに向かって目標を設定し、計画を立てて行動することです。 「自分には素質がない」「自分は身長が低い」「周りからムリだと言われた」・・など出来ない理由を探すのではなく、どうすれば出来るかを考えて行動することが成長・成功に繋がります。 ご両親や指導者の皆さんにお願いです。子供には無限の可能性や能力があります。その可能性や能力を引き出すような関わりをしてあげて下さい。  

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INFOインフォメーション

名称 尾花髙夫が伝えたいこと。~指導者の皆さんへ~
(オバナタカオガツタエタイコト)
住所 神奈川県横浜市
尾花 髙夫
尾花 髙夫

和歌山県伊都郡九度山町出身の元プロ野球選手(投手、右投右打)・コーチ・監督、解説者。