玉井里美：未来をつくる次世代の人を育てる英語教育者の志事 | 誰かの役に立つ「志事」の素晴らしさ

■英会話スクールを愛媛県内で4校運営

私は39歳の時に、英会話スクール「アミック・イングリッシュセンター」を設立しました。今年で24年目になります。設立に至るまでもずっと英会話講師として活躍をしていました。

生徒に英語を教えると同時に、自分も学びたいと思い、仕事をしながら同時通訳の訓練所に通って通訳案内業国家資格を取得しました。IOC(国際オリンピック委員会)サマランチ前会長、ファン＝ロンパイEU大統領の通訳を務めたこともあります。

また、英会話スクールの運営だけでなく、プログラミング教育や英語コーチング、翻訳、語学研修、異文化交流事業など幅広く事業を展開しています。
 

■人生の選択―家業を継ぐか、好きな英語で生きていくか

学生時代は、私の実家は医院をしていたので、家業を継がないといけないという重圧がずっとありました。でも、何より「英語」が好きだったんです。

高校１年生の時に進路指導の先生から「自分の好きなことを仕事にするといいよ」と言われて、英語で生きていきたいという思いが日に日に強くなりました。

大学受験の時に、医学部か文学部か迷って、結局文学部に進学したのですが、それでもやはり家業のことが気になり、卒業したら、医学部に入り直そうと思っていました。

幸いにも兄弟が医学部に進学することとなり、やっと肩の荷が下り「自分の人生を生きていける！」と英語で生きていく決心をしました。

■生徒の可能性を最大限に広げる―それが私の幸せ

なぜ「英語」なのかというと、英語は人生を広げてくれるからです。英語を学ぶと、情報量が増え、人との関係も、選択肢も、自由度も、世界も広がるんです。

私の生徒の中には、英語で人生が開けた人が何人もいます。そういう生徒の可能性を広げ笑顔になるお手伝いをすることが私の幸せなんです。

本人のやる気さえあれば、私は長年の経験でその先にある「道」が見えるので一緒に伴走してあげられます。

■時代に合った英語教育にチャレンジ中

私が学生の頃は、生の英語にふれる機会が今に比べるとずっと少なくて、音声で英語を学習することが出来なかったんです。

今は、オンラインで外国人講師と会話できたり、英語学習アプリがあったりと英語学習をとりまく環境は刻々と変わっていますよね。AI（人工知能）技術が発達し、翻訳の精度もあがってきていて、ある程度は、英語に関する仕事がAIに置き換わることが避けられないと思います。

でも、英語を教える仕事は形を変えながら残ると思います。実際に、私は英語コーチングという手法で英語学習のパーソナライズ化をして英語力を伸ばすという新しい教育方法にチャレンジしています。

■自分の人生だから…子育て中でも夢を諦めない

私が子育てをしていた時は、英会話スクールや専門学校に通って英語講師として教えていたので、夜の9時まで働いていました。夕方も別の保育施設に預けないといけないので、稼いだお給料も保育代に消えてしまって…。何やってんだかな…と肩を落とす時もありました。

でも、今振り返ると本当に「仕事」をしていて良かったなと思います。働いて自分の世界を築いて、得意なことや好きなことを貫く。それが自分のためだけじゃなくて、人のためになったら本当に素晴らしいことです。ワークライフバランスを大切にと最近は言うけれど、私にとってはワーク＝ライフ、ライフ＝ワーク。働いていることが楽しいんです。

■子育て中のお母さんへのメッセージ

私たちの世代は、一般的にみると専業主婦が多い世代です。そんな中、私は、起業して夜も働いて、家でもずっと勉強しているという珍しいお母さんでした。

子どもは親のことをちゃんと見てくれています。「勉強しなさい」なんて一言も子どもに言わなくても、テスト前は洗面器に顔をつけて目を覚ましながら頑張っていましたね。私の生き方を、子どもなりに感じ取ってくれたんだと思います。子どもは教わるだけじゃなくて自分で学ぶ力を備えているので、安心して自分の人生を生きていくといいですよ。

■最後に、未来をつくる子どもたちへ

好きな道を見つけて頑張って。応援しています。
 

----------------------
玉井里美

愛媛県内子町出身
英語を仕事ばかりでなく人生の軸として生きている。英会話スクール、英語コーチング、翻訳、通訳、プログラミング教室などを運営する会社を経営して24年目。IOCサマランチ前会長、ファン＝ロンパイEU大統領の通訳を務める等、通訳、翻訳の経験も豊富。

アミック・キッズプログラミング