2020.12.28
高気密・高断熱住宅に住むと健康寿命が延びるってホ...
今では「ヒートショック」という言葉は、だいぶ知られてきたかと思いますが、家の中の室温差に起因して、心臓や脳に負担がかかることを言います。 1番多いのは、冬にお風呂に入る時です。 性能が低い家では脱衣室やお風呂が寒く、服を脱いだ際に鳥肌が立ち血圧がが急激に上がります。その状態で、熱いお湯にドボンとつかる、そうすると一気に血圧が下がります。 このように、血圧が急上昇したり下がったりすることが、心臓や脳にはかなり負担をかけていることになります。 こちらの厚生労働省のデータ「月別溺死者数(平成20年)」をご覧ください。 溺死とは、夏に海水浴場等で溺れて亡くなること、とイメージされる方が多いのではないでしょうか。 実は夏に溺死する方は少なく、圧倒的に冬に亡くなる方が多いことが分かります。 その場所というのが、家庭のお風呂なのです。 浴槽に浸かった状態で血圧が下がり、気を失ってしまい溺死してしまう、ということです。 こちらは、家庭の浴槽での溺死者数の推移を表しています。 日本の住宅の性能は、年々上がってきているため、溺死者数も減っているかと思っていましたが、そうでもないようです。 平成27年・28年とさらに増えており、これは高齢化が進んでいるのも大きな要因かとは思いますが、このような状況です。 消費者庁のプレスリリースでは、入浴中の急死者数は19,000人となっています。 2019年の交通事故死亡者数が3,200人程でしたので、6倍くらいに当たるのでしょうか。 家の外を歩くよりも、家の中のほうが遥かに危険ということなのです。 そして、さらにこの何倍もの方々が命を取り留めても、半身不随など健康寿命を縮めてしまっているということです。 ヒートショックは寒い地域の話と思われているのですが、実はそうではありません。 こういった温暖な地域で、むしろ発生率が高くなっています。 逆に北海道・青森などの寒い地域では、あまり起きていません。 これは高気密・高断熱住宅が普及しているため、家が暖かく室温差がないため、ヒートショックが発生していない、そういうことになります。 「脱衣室の温度が2度高くなると介護期間が4年短くなる」という調査結果があります。 また「断熱改修工事で室温が上がり、こたつが不要になった家では活動量が有意に増加」とあります。 こちらも高齢者の話ではありますが、健康寿命を伸ばすには有用かと思います。 さらに「1℃暖かい家の人の脳神経は2際若い」とのことです。 また「断熱改修後に起床時血圧が有意に低下」するとの結果も出ています。 「足元が寒い家では、さまざまな疾病・症状を有する人が有意に多い」 こちらからも、家の性能が悪いと色々な病気になりやすい、ということが分かります。 平均寿命と健康寿命の差についてですが、ご存知の通り、日本はとても平均寿命が長い国です。 ところが健康寿命については、他の国とあまり変わらないのです。 健康寿命を失ってから亡くなるまでの期間、あまり幸せではないシニアライフを送っている方々が非常に多い、こちらの方が他の国より顕著になっています。 どうして健康寿命を失っているか? 第2位の脳卒中についてですが、前出のヒートショックで、お風呂で倒れることによって、結果として半身不随になっている方々が、一定の割合いると思われます。 家の性能不足に起因して、健康寿命を失っている方々が、かなりの人数に上っているということになります。 これらのことから、断熱・気密性能を引き上げることが必要になります。 若い方々でも、老後の健康を考えると、充分な断熱・気密性能を確保することが大切だと思います。 また、ご両親の住まいについても、考えた方が良いと思います。 性能が低いままだと、早い段階で施設に入らないといけない、介護が必要になってしまうリスクが高くなってしまいます。 古い性能の低い住まいをどうしたら良いのか、ということですが、断熱フルリノベを行うことが理想です。でもそこまでしなくても、窓にインナーサッシを入れるだけで居住環境は劇的に変わります。 最近は、かなり安くて良いものが出てきています。 家じゅうの窓にインナーサッシを入れると、劇的に冬暖かく、夏涼しい住まいに変わります。 ぜひご家族で話し合ってみてください。 ▶高性能な住まいの相談室はこちら