健康なうちに血糖値の検査値には注意を払いましょう! | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2022.04.07

健康なうちに血糖値の検査値には注意を払いましょう!



科学的栄養学No.198

◇健康なうちに血糖値の検査値には注意を払いましょう!

 

健康診断や人間ドックで検査した血糖レベルに明確な異常がなくても安心するのはまだ早いですよ。

血糖値が比較的高い状態を放置すると、糖尿病、認知症やがん、フレイル(虚弱)などのリスクが高まることが分かってきています。

 

高血糖によるリスクの蓄積を「血糖負債」と呼び、健康なうちに検査値に注意を払うよう呼び掛けています。

 

日本生活習慣病予防協会では高血糖が継続して体への悪影響が蓄積することを「血糖負債」と呼び、健康なうちに検査値に注意するよう呼び掛けています。

 

高血糖の影響は、糖尿病にとどまらないことも近年分かってきたからです。
 

例えばがん。糖尿病患者のがんのリスクはそうでない人と比べて約2割高いとされていますが、糖尿病に至らない軽度の高血糖状態でも、がんによる死亡リスクが高いことが、日本人を対象とした研究で判明しました。
 

また、軽度の高血糖状態が認知症のリスクを高めるという知見も増加。
 

認知症の中でも脳血管性認知症は高血糖によって脳の血管が老化するとされる。

アルツハイマー病のリスクが高くなる理由はよくわかっていないが、高血糖による酸化ストレスが影響しているのではとも考えられています。

 

では、どうすれば血糖負債の蓄積を防げるのか。
 

それには、定期健診の血糖の検査値の一つであるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」に注意を払うことです。

 

通常の血糖値は空腹時や運動後に下がるなど変動が大きいが、HbA1cからは過去12カ月の平均的な血糖レベルがわかります。

 

HbA1cの単位はパーセントで、健康状態の判定区分は「異常なし」(5.5%以下)、「軽度異常」(5.65.9)、「要経過観察」(6.06.4)、「要医療」(6.5%以上)の4段階。

要経過観察や軽度異常のレベルでは糖尿病の合併症は起こりにくいが、
血糖負債が徐々にたまっている状態と考えられています。

 

これらに該当する数値だった場合、食生活に気を付けたり、日常の運動を心がけるなど、血糖値を下げる生活に切り替えることが重要となります。

HbA1cの値を正常域に近づけることで健康障害が起きにくい状態を保つことができます。

 

HbA1cが分かるのは通常だと年1回程度の健康診断や人間ドックの時くらいなので、自分の体を定期モニターするには間隔が長い気もするが、1年に1回くらいの頻度でモニターしても問題はないとされています。

 

また、直近の数値をすぐに知りたい場合は、血液検査がその場でできる薬局や郵送の血液検査キットの利用も選択肢になります。
 

私は検査キットを購入して1週間、食事の内容や運動の影響などを連続してモニターしたりしました。
 

血糖値の上がり方は、巷で言われている食の常識とは必ずしも一致しないことなどの気づきや、インスリンの分泌の癖などが分かりました。

 

日本生活習慣病予防協会は、新型コロナウイルス感染症流行に伴う生活変化によって、生活習慣病のリスクがどう変化したのかを探るため、全国の一般生活者3000人、医師100人を対象に3月時点で調査を実施。

 

その結果、健康診断や人間ドックの検査数値が悪化した検査項目で最も多かったのは「HbA1c」と肥満度を表す「BMI」で、いずれも55%だったとのこと。
 

以下、中性脂肪54%、血糖値51%。

 

一般生活者に「最もかかりたくない生活習慣病」を聞いたところ、トップは糖尿病の42.6%だった。
 

HbA1cについて知っている人は36.8%にとどまっていました。
 

同協会は「自身の生活習慣見直しの指標としてもHbA1cの一般への知識普及を進めたい」という。
 

是非読者のみなさんも、健康なうちから血糖値の検査値に注意を払っていきましょう。
 

ご自身の健康寿命を延ばしていくためにも

 

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