脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!③ | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2023.08.03

脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!③



科学的栄養学No.240

脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!③

酔うと自制心がなくなるのは、前頭葉に影響が出るから

 

それでは、アルコールが脳に到達すると、脳にはどのような影響があるのだろうか。

 

アルコールによる影響が出やすいのは、脳の中でも前頭葉、小脳、海馬の3部位です。

 

このうち、最初に影響を受けるのは前頭葉です。

 

前頭葉は理性を司っている部位で、お酒が進むと、日ごろ理性でこり固まった前頭葉が解放されていくわけです。

 

もし脳自体がアルコールを欲しているのであれば、脳は実は前頭葉を解放したいのではないか、なんて思ってしまいます。

 

最初にアルコールの影響を受けるのが前頭葉と聞くと、つい飲み過ぎてしまうのも合点がいく。

 

「これ以上飲んだらよくない」という自制心がなくなり、酒を大量に飲んでしまうのです。

 

前頭葉に続いて、記憶を司る海馬、運動機能を司る小脳の順番にアルコールの影響を受けます。

 

飲み過ぎて記憶がなくなると不安になりますが、記憶がなくなるのは海馬が一時的にお休みしているだけです。

 

つまりアルコールによる記憶喪失は一時的で、時間がたてば元に戻ります。
 

筋肉痛みたいなものです。

 

働き者の脳だって、たまには休みたい。

 

思い切り解放され、リラックスもしたいだろう。

 

脳はそんな理由からアルコールを欲しているのではないか、と勝手に思ったりしてます。

 

アルコールを飲むと、快楽を司る脳内ホルモンであるドーパミンが多量に分泌され、リラックスしたときに出る脳波のアルファ波が多く出ます。

 

だから、適度に酔っぱらうと気持ちがいいし、疲れも取れる。
 

これは脳にとっても心地よい状態なのかもしれません。

 

そう考えると、脳がアルコールを欲しているというのは本当かもしれない、と思えてきます。

 

人間は進化の過程でアルコールの分解能力まで備えたのですから、アルコールは人間、とりわけ脳にとって、好ましいものなのではないか、とひとりの酒好きとしては思いたくなります。

 

赤ちょうちんを見ると酒が飲みたくなるのも、天気がいいとビールが恋しくなるのも、全て意味があるように思えてきます。

 

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