2023.02.09
「高LDL状態を放置してはだめ!」その本当の理由
脳科学的栄養学No.217
102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座
◇「高LDL状態を放置してはだめ!」その本当の理由
前回まで、コレステロールと中性脂肪の違い、食事の注意点などを説明してきました。
引き続き今回からはコレステロールが高いことで動脈硬化を進める仕組みと、なぜ高いコレステロールを放置してはいけないかについて解説していきます。
読者の中には「コレステロールは血管壁にこびりつく」、「それを薬の成分が、溶かして血管壁をきれいにしてくれる」と思っておられる方はいませんか?
それは間違いですので認識をあらためましょう。
その理由を順に解説していきます。
そもそも、血液の中を流れているあぶら、すなわちコレステロールと中性脂肪の数値が基準値を超えていたら「脂質異常症」という生活習慣病と診断されてしまいます。
前回も触れたように脂質異常症は下図のように4つのタイプに分けられます。
・LDLコレステロールが多い「高LDLコレステロール
血症」(140mg/dL以上)
・HDLコレステロールが少ない「低HDLコレステロー
ル血症」(40mg/dL未満)
・善玉(HDL)以外の総コレステロールが多い「高
non-HDLコレステロール血症」(170mg/dL以上)
・中性脂肪が多い「高トリグリセライド血症」
(150mg/dL以上)です。
このうちの一つ、例えばLDLコレステロールが基準値を超えているだけでも脂質異常症と診断されます。
昔は「高脂血症」と呼ばれたことを覚えている方も多いでしょう。
その名前だとHDLコレステロールが低いタイプが含まれなくなるので、2007年から脂質異常症と呼ぶようになりました。
ご承知の通り、脂質異常症になると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中を発症したり、死亡したりするリスクがぐんと高くなります。