日本人はもともと肺炎で亡くなる人が多い② | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2020.03.26

日本人はもともと肺炎で亡くなる人が多い②



科学的栄養学No.98

◇日本人はもともと肺炎で亡くなる人が多い②

 

肺炎は、その発症物質(病原体)によってその種類は三つに分類されます。

 

①細菌性肺炎:肺炎球菌や黄色ブドウ球菌が原因
 

②ウイルス性肺炎:インフルエンザウイルスやコロナウイルスなどでが原因
 

③非定型肺炎:マイコプラズマやクラミジアなどの微生物が原因

 

また、肺炎は発症のメカニズム(感染ルートや手段)によっても分類されます。

 

①誤嚥性肺炎:飲食物、唾液、胃液などが気管から肺に入り(誤嚥)、そこに含まれていた病原体によって起きる肺炎
 

②飛沫感染による肺炎:咳やくしゃみなどの飛沫に含まれていた病原体が、口や鼻などの粘膜に触れて新たな人に感染すること
 

③アレルギーによる肺炎などです

 

今は新型コロナウイルスが大きくクローズアップされているので、肺炎はウイルス性のものが多いと思う人が多いかもしれませんが、平時においての肺炎は細菌性が主です。

 

原因菌としては、誤嚥性肺炎は肺炎球菌や歯周病菌など口の中にいる菌が、飛沫感染は肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などです。

 

なかでも最も多い原因菌は肺炎球菌。肺炎全体の3割が肺炎球菌による肺炎で、原因不明のものを除けば原因菌の約半分が肺炎球菌だと言われてます。

 

肺炎の症状としては「咳」「痰」「発熱」「胸の痛み」「息苦しさ」があります。

 

これら5大症状は風邪の症状と似ていますが、肺炎の場合は一般に症状が重く、発熱は3日以上、咳も1週間以上続くことが多いという。

 

しかし、高齢者の肺炎は38C以上の高熱が出ることが少なく分かりにくい。

 

その理由として、高齢者では免疫力が低下しているためだという。

 

なお、咳が2週間以上続いているときは要注意です。

 

肺炎のほか、肺がん、結核、咳ぜんそくなどが隠れている可能性があるからです。

 

誤嚥性肺炎は高齢者の肺炎の7割以上を占めており、嚥下機能(飲み込む力)や咳反射が衰えなど、のどや呼吸筋の筋力が低下することが原因とされています。

 

誤嚥が起こりやすくなるのに、動脈硬化が進むことで起こるラクナ梗塞があります。
 

ラクナ梗塞とは本人も自覚していない小さな脳梗塞のこと。

 

予防対策として、のどの筋肉を鍛えることが大切になります。
 

のどの老化を防ぐ有望な対策として以下の方法が提唱されています。

 

(1)のどや呼吸筋のトレーニング :積極的なおしゃべりやカラオケ、朗読など,声をだす機会を増やすこと


(2)のどのうるおいを保つ:よく噛んで食べることで唾液の分泌を促す。こまめに水分を摂ることなどでのどのうるおいを維持。
 

(3)口腔ケア :歯磨きの励行
 

(4)肺炎球菌ワクチンの接種:高齢者は肺炎球菌ワクチン接種により、重症化を防ぐ効果あり。高齢者の肺炎球菌ワクチン接種に対して自治体から助成も出るようになっている。

 

さらに、高齢者は普段から風邪、インフルエンザの予防に気を配りましょう。
 

風邪をひくと、肺炎のリスクが高くなるからです。

 

そして新型コロナウイルスの予防はご存じの通り、「手洗い」が最も有効だとされています。人間は無意識のうちにしょっちゅう顔を触っています。

 

ですから、まめに手を洗い、手についた細菌やウイルスを洗い落とすことで鼻や口の粘膜から感染することを防げます。

 

今後のためにも、手をよく洗う習慣をこの機会にしっかり身につけていきましょう。

 

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