全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と⑨ | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2021.07.30

全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と⑨



科学的栄養学No.166

◇全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と⑨

 ・全粒穀物に豆類、海藻、発酵食品を加えるとさらに

  パワーアップ

 

さて、これまで全粒穀物を主食にすることを提案してきました。そこで、さらにもう一つ意識したいのが「おかず」です。

 

おかずに食物繊維が豊富な食材を1品追加すると、食物繊維摂取量は35gほどプラスすることができます。

 

もともと、日本人は、副菜からも多く食物繊維をとってきました。
 

1品追加したいおかずとしては水溶性食物繊維が豊富なわかめ、ひじき、昆布をお勧めします。

また、豆類に豊富に含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は食物繊維と同じような働きをします。

 

これは、大腸の奥のほうまで到達して発酵し、短鎖脂肪酸を産生します(短鎖脂肪酸は、満腹感を高めたり、血糖値の急上昇を抑えたり、血圧を下げる、免疫機能に好影響を与えるなど、幅広い機能が期待されている)。

 

野菜ももちろんしっかり摂ることが大切ですが、葉野菜などに含まれるのは、主にセルロースなどの発酵性の低い不溶性食物繊維です。

 

ですから、野菜なら根菜類がお勧めです。

 

そして、豆や海藻を意識してとることが、メタボ改善には有効です。また、間食するならナッツや果物を選択するのがベストです。

 

さらに、腸における発酵作用を高めるために、乳酸菌や納豆菌などのプロバイオティクス食品を摂りましょう。

 

ヨーグルトや納豆、漬物(植物性乳酸菌)を合わせてとると、これらが腸を通過するときに腸内での発酵を手助けし、短鎖脂肪酸産生アップが期待できるからです。

 

すでに、述べたように日本人の食物繊維摂取量は、約14gで、「日本人の食事摂取基準」(2020年版)で目標とされる「1日あたり成人男性21g以上、成人女性18g以上」よりも少ない現状にあります。

 

主食を全粒穀物にし、副食で海藻や豆を選べば、1日あたりの食物繊維摂取量を510g追加することができ、目標をクリアすることになります。

 

参考までに、1食あたりでとることができる食物繊維量の目安を、主食、おかず、間食ごとにリストアップしました(表参照)。

 

 

主食を全粒穀物に変え、さらにおかずにも工夫を加えたら、食物繊維たっぷりの生活ができるはずです。

 

おいしい食べ方を工夫しながら、ぜひ全粒穀物ライフを。


シリーズ完

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