睡眠リズムは日中のブルーライトでがつくられる | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2022.02.24

睡眠リズムは日中のブルーライトでがつくられる



科学的栄養学No.193

◇睡眠リズムは日中のブルーライトでがつくられる

 

スマホやパソコンのブルーライトが睡眠を妨げるということは周知の事実です。

そのため、ブルーライトは体に悪いと思っている人が多いのではないですか。

 

でも、それは違うのです。

 

昔の人はよく「陽一杯」いう言葉を使いました。意味は太陽が上がったら働きはじめ、陽が沈むまで働き、暗くなったら休むという意味です。

 

そもそも時計がなかった時代、人々は太陽が昇って沈むというサイクルを利用して1日の生活リズムをつくっていました。何十万年も前からです。

 

ですから、太陽光に含まれる色の影響を受けて、からだや脳は進化の過程で様々なリズムやシステムをつくってきたといえます。

 

太陽光は多くの色に分類されます。虹の色は「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色と言われますが、これは太陽光をより分けたものになります(分類は国によって異なります)。

 

実は、私たちの1日のリズムは、多くの色のうち主に青色の光(ブルーライト)を使っているのです。

 

青色の光を日中浴びることによって、夜間、睡眠をとるころにメラトニンというホルモンが分泌しやすくなるシステムができています( Tosini G, et al. Effects of blue light on the circadian system and eye physiology. Mol Vis. 2016; 22: 61-72.)。

 

メラトニンの作用によって眠りが安定してきます。
 

つまり人間は、何十万年もの間、日中に青色の光を含んだ太陽光を浴びることによって、睡眠の質を確保していたということです。

 

しかし、最近の生活をみれば、人間は夜でも光を見るようになりました。とりわけここ10年近くは、スマホやタブレットが広く普及し、テレビよりもさらに近くで光を直接見るようになっていますね。

 

そもそも、私たちの体や脳は夜間は光がないなかで生活リズムをつくってきていますから、夜間にブルーライトを浴びることはありませんでした。

 

そのため、デジタルデバイスの使用によって夜間ブルーライトを浴びてしまうと、人間の体は夜ではなく昼間かのように反応してしまいます。

 

当然、睡眠のリズムが狂ってくることなります。

 

みなさんの中にも、夜中にふと起きたとき、スマホを見たことで眠れなくなったてしまったという経験はありませんか。

 

このように、なかなか寝つけない、眠っても夜間に起きてしまう、早めに目が覚めてしまいその後眠れない…などの睡眠の乱れによって、疲れが取れないなどの不調が起こります。

 

また、スマートフォンの使用によってイライラしやすくなるということも分かっています。

( Heo JY, et al. Effects of smartphone use with and without blue light at night in healthy adults: A randomized, double-blind, cross-over, placebo-controlled comparison. J Psychiatr Res. 2017 Apr;87:61-70.)。

 

 

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