2022.07.21
コレステロールと中性脂肪ではお仕事がちがいます ②
脳科学的栄養学No.211
102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座
◇コレステロールと中性脂肪ではお仕事がちがいます②
まず、コレステロールと中性脂肪はどちらも同じ、血液の中のあぶらです。
あぶらを水に混ぜたら分離するように、コレステロールや中性脂肪を血液中に置くと分離してしまいます。
そこで、あぶらであるコレステロールや中性脂肪を血液中で分離しないように運ぶために、「リポたんぱく」というたんぱく質のカプセルの状態にして血液の中を流れていくようになっています。
どちらも体にとって絶対に必要なものですが、それぞれの役割、つまり「仕事」が全然違います。
この違いを理解しておくことが大事です。
脂肪を減らす対策の違いも頭に入りやすいのではないかと思います。
まず、中性脂肪ですが、これは体を動かすガソリンのような役割をしています。
体のエネルギー源を備蓄するための燃料といえます。
焼肉をたくさん食べた翌日に血液検査をした人の血液を置いておくと白濁してきます。その原因は中性脂肪。
このように焼肉や天ぷらなどの油物を食べると中性脂肪は上がりますが、それだけではなく、糖質やたんぱく質も、余れば中性脂肪になります。
例えば、果物やまんじゅう、ごはんやうどんも、その日に使われなければ中性脂肪となって蓄えられます。
つまり、何を食べても余れば最終的には中性脂肪になっちゃうんですよ。
内臓脂肪はお腹の腸間膜についていますが、じつは中性脂肪の倉庫です。
人間の体は飢餓の時代を長く生きてきたので、せっかく口にした貴重な栄養を簡単に捨てないように進化してきました。
余ったエネルギーは中性脂肪にして、せっせと脂肪細胞に入れて備蓄していきます。すると脂肪細胞がだんだんふくらむ。
つまりこれが肥満ですね。
内臓脂肪が大きくなるとお腹が出てくるので、メタボのチェックでは腹囲を重視するわけです。
中性脂肪というのはガソリン(燃料)なので、それを減らす仕組みは単純です。
筋肉を動かして燃やせばなくなるし、食べ物から補給しなければなくなる。
だから中性脂肪を減らすには、運動で消費カロリーを増やすことや摂取エネルギーを減らす、つまり、食べ過ぎないことが有効なわけです。