グラッサー・クォリティ・スクールの3本柱 | 選択理論心理学・柿谷先生のコラム

人は変えられないが、自分は変われる。そして、幸せを生きる。

選択理論心理学・柿谷先生のコラム

2020.01.26

グラッサー・クォリティ・スクールの3本柱

クォリティ・スクールと題した書籍をグラッサーが著したのが1990年。
翻訳本が出版されたのが1994年。
米国ミシガン州で最初のクォリティ・スクールが誕生したのが確か、1994年。

達成したお祝いをしていると、近隣の学校から、「自分たちだけがクォリティ・スクールになったと言っているが、我々の学校はそうではないという意味?」というつぶやきが聞こえてきた。

そこで、グラッサーの提唱する、クォリティ・スクールという意味で、「グラッサー・クォリティ・スクール」という名称を使うようになった。

以下の(1)〜(6)はGQSの基準と言われているものにつながる項目で、『グラッサー博士の選択理論』p.464を参照されたい。

グラッサー・クォリティ・スクールには、3本柱があると見ることができる。

1本目の柱は「環境」である。

(1)規律違反の問題は1年目で大幅に減少するはず。グラッサーは、デミングが指摘する「14項目」の中で、最も重要なのは「恐れを取り除く」ことだと言う。強制のない温かい学習環境を作り、(6)喜びに満ちた環境にすることが1本目の柱。

関連書籍は、『クォリティ・スクール』8〜10章、『あなたの子どもが、、、』1,3〜5,11章、『Quality School Teacher』1〜4章参照。(Quality School Teacherはまだ邦訳がない)

2本目の柱は「責任」。

自分の行動に責任を持つということは、人のせいにしないで生きること。親や教師のせいにして、反抗してあえて勉強しない選択をする生徒は、まだ責任の概念を学んではいない。生徒も親も教師も選択理論を学べば、責任ある行動を取れるようになる。自分の幸せにも責任が持てる。(4)生徒はなんらかの上質な取り組みをすることが期待されている。

『クォリティ・スクール』6章、『Quality School Teacher』3,7,9〜12章参照。

3本目の柱は「成果」。

学校が喜びに満ちた学習環境であれば、学習は楽しくなる。学習が楽しくなれば、(2)学習成果は当然上がってくる。(3)成績はAが殆どで、たまにB評価もありという程度で、教科の理解は上質なものであることが期待される。(5)生徒も教師も親も、勉強会に参加して選択理論を学び、生活に適用している。

『グラッサー博士の選択理論』10章、『あなたの子ども、、、』2,6〜10章、『Quality School Teacher』5,6,12章参照。

教育関係者はまず「環境」と「責任」領域から取り組めるのではなかろうか。

 柿谷正期(日本選択理論心理学会会長)

(日本選択理論心理学会ニュースレター74号より)

COMMENTコメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してぐるっとママ横浜は一切の責任を負いません






CALENDARカレンダー

  • 2024年05月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

CATEGORY記事カテゴリ

NEW新着記事

~障がい児を持つママのためのコラムを書いているページはコチラ~