精子数の激減現象がとまらない | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2018.10.28

精子数の激減現象がとまらない


科学的栄養学 No.5

ここ数十年、精子数の激減が続いています。

その減少率は年平均精子1ミリリットル当たり100万個だそうだ。
これは見過ごせない数字です。

実はこの数字よりもっと恐ろしいことは、この状況を世界の医療研究者が実態をつかむほぼ半世紀も前から続いていたという事実にあります。

この激減率は今後も同じようなスピードで続くのだろうか?
そして最後にはどこに行きつくのか?

精子数の激減に残留性環境化学物質が関わっていたとしたら、精子数がそこそこの回復をみせるのは2030年あたりであろうと予測されている。

すでに多くの研究から、精子の質と量が出生率と密接に絡んでいることは周知のとおり。

若年男性では、精子数が最低で、奇形数が最大になっている。

こうした現象の原因が出生前ないし出生後のごく早い時期にこうむった障害にあるとする指摘を裏付けるもの。

ただ、精子数の分析を通じ科学的に証明されるまでは、まだまだ時間がかかるであろう。

1970年代初頭に生まれた世代を対象にした研究では、残留性環境化学物質の影響が強く疑われている。

1970年代初頭と云えば、世界の先進国が、DDT,農業用殺虫剤デルドリン、リンデン、PCBなどの残留性の高い有機塩素系化学物質の有害性から、使用の制限が始まった時期でもある

だから、この世代の精子数の減少は、規制が行われていなかった1960年代から1970年代に母体が残留性環境化学物質を摂取していたことに起因すると考えられている。

それ以降、先進諸国では規制のおかげで人の組織中にみられたDDT、その分解物DDE、リンデンなどの残留量が激減傾向にある。

したがって、先進諸国ではこの傾向が続けば、残留性環境化学物質による出生前の曝露が、精子数の減少に大きくかかわっているとすれば、2030年代には、そこそこの回復傾向に転じるだろうとの予測につながっているのです。

しかし、インドや中国などの国々では、残留性の高いDDTやリンデンのような殺虫剤の使用の範囲や環境汚染が広がっている。

さらに、あらたな問題点はいたるところで使用されているプラスチック素材からでるある種の化学物質にさらされる危険が増していることにある。

現在出回っているプラスチック容器がどんな化学組成になっているかは確かめようがないし、内分泌ホルモン攪乱物質がしみだしているものがどれくらいあるかもわからないというのが実情なのです。

この種の有害化学物質が、軟膏、化粧品、シャンプーなどの日用品に混入されているおそれがあると云わざるを得ない状況でもある。

最近、プラスティックのストローの使用をやめ、紙のストローに切り替えるという動きが話題になってきている。 

人類の知恵として私たちにできることは「予防原則」に従って生きるということです。

環境問題、健康問題もすべて事前対応が予防につながるのです。

そのため情報を正しく認識することがより重要なことになります。

私が脳環境化学「経皮毒」の本当の意味と意義を通して、環境汚染に加担しない生き方、考え方を伝えている理由はここにあります。
 

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