2023.03.31
脳は何歳になっても変えられる、脳のメンテナンス法④
脳科学的栄養学No.224
102歳をらくらく生きる脳科学的健康講座
脳は何歳になっても変えられる、脳のメンテナンス法④
◇認知機能を高めるには血の巡りが肝心
多くの研究報告から、認知機能をベストの状態に保つには、脳への「血のめぐりが肝心」であることが示されています。
とても当たり前の話なのですが、実行できている人は意外と少ないのではと懸念しております。
実のところ、ほとんどの人は、脳内の血のめぐりがベストの状態ではないといえます。
まさかと思った方は、脳の健康に関して次の二つのことを理解する必要があります。
一つは、脳が適切に機能するには、豊かで安定した血流が欠かせないこと。
もう一つは、現代の生活習慣の多くが脳内の血流に悪影響を与え、諸々の症状や問題に気づいた頃には手遅れになっていることです。
私が主催する「GROWTH健康づくり協会」のオンラインクラブセミナーでも何度もお伝え済みですが、人間の脳は、重さは体重の2%しかないが、体内の血液の15~20%を必要とします。
酸素と栄養を含む血液を脳の司令塔に送り続けるために、他の臓器への血流がストップすることさえあるのですよ。
また、脳は筋肉の3倍も酸素を使います。
血液は、その酸素をニューロンに送り届けて、ニューロンが効率よく働き、発火し、信号を送れるようにしている。
血流が十分でないと、ニューロンは死に始めます。
血流は、脳にグルコース(ブドウ糖)も運んでいることはご存知でしょう。
グルコースはニューロンのエネルギー源です。
脳は筋肉と違って、グルコースを蓄えることができないので、血流が十分でないと、脳の組織はエネルギー不足に陥ることになります。
しかも、脳は大食いで、体内のグルコースの40~60%を消費します。
また、血流はグルコースのほかに、ビタミン、ミネラル、脂肪、アミノ酸、電解質など、脳にとって欠かせない栄養素も運んでいます。
ですから、脳への栄養と酸素の供給が少しでも減ると、集中力、記憶力、創造力、判断力、マルチタスク能力などの認知機能と気分を司る脳領域がうまく働かなくなるのです。
脳内の血流には、もう一つ重要な役割があります。
それは、脳内に蓄積する老廃物を洗い流すことです。
蓄積すると脳を破壊し、アルツハイマー病の発症に深く関係していると云われているアミロイドベータと呼ばれるタンパク質もその一つ。
あなたは、頭がぼんやりしたり、集中力や記憶力の衰えを感じたりしても、たいていは、睡眠不足やストレス、食生活の乱れ、甲状腺の機能低下のせいにして、脳内の血流が悪いせいだとは考えないのでは?。
しかし、なぜ、脳内の血のめぐりが悪い人が多いのだろうか。
その原因は、食事、飲酒、睡眠、運動、ストレスへの対処など、現代の生活習慣にあると考えられます。
悪い生活習慣はたくさんあるが、そのうちの二つか三つを改めるだけで、脳の健康状態は改善するのですよ(つづく)。