うつ病は生活習慣病? | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2019.03.25

うつ病は生活習慣病?


科学的栄養学 No.44

うつ病は生活習慣病?



肥満や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を持つ人は、うつ病発症リスクが高いとする研究報告が、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)より発表されていますので紹介します。

研究によれば運動や食事などの生活習慣が、うつ病発症の予防や治療に重要な役割を果たしている可能性があるとしています。

研究は2014年9月から2017年2月まで、11,876人を対象にアンケート調査を実施。

このうちうつ病経験のある1,000人と、それ以外の11,000人を比較し、発症リスクを高める要因を分析。

その結果、
BMI(体格指数)30以上の肥満や、18.5未満の体重不足、糖尿病や高脂血症の人たちでうつ病リスクが高いという結果です。

*BMI(Body Mass Index 体格指数) 
単なる体型の判断だけでなく、健康状態を知るうえでも重要な基準とされている世界共通の指標。

体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)で計算して小数第2位まで求めます。

(例)体重60kg 身長160㎝ の場合
  60÷1.6÷1.6=23.43  
  18.5~<25 普通体重 18以下〜痩せぎみ 
  16以下〜痩せすぎ 25以上 過体重 30以上 肥満

  標準体重=22 ×身長(m) × 身長(m) 
      =22×1.6×1.6=56.3kg  
  60-56.3=3.7kg
  標準体重から見るとやや体重オーバー


また、食習慣では間食や夜食をほぼ毎日食べている人ではうつ病発症リスクが高いとのこと。


一方で、朝食を毎日摂っている人ではリスクは低かった

運動面では習慣的に中等度程度の運動を行っている人でもリスクは低かった

こうした結果から、体重のコントロールや生活習慣を見直し改めることで、病状が改善する可能性があると結論。

うつ病などの精神疾患の治療に対して、これまで日本では食事や栄養学的な視点での アプローチがされてきませんでした。

しかし近年、精神疾患と食生活や栄養摂取に関 する報告が相次いで発表されるようになり、国立精神・神経医療研究センターでも精 神疾患の栄養学的側面に着目した臨床研究が進められてきている。

今回の結果は、うつ病は生活習慣病であることを裏付ける結果となっている。


私からは
毎日、決まった時間(就寝前・起床時など)に体重を測定することを習慣化することをお勧めします。

確実な健康管理につながります。

体重が増加傾向にある場合はその前1週間の食事の内容や運動量を振り返ってみると原因が見つかります。

私は勿論、私の講座の受講生は就寝前に、その日に食べたものを間食も含めてすべて書くことを日課にしております。

気分の落ち込みがつづくとか、イライラしがちと感じたら、1週間ほど前からの食事内容を見返すとそこに原因が明らかに見えてきます。

実は脳は日々食べているものの内容に敏感に反応する臓器でもあります。

夕食に食べた内容でその夜の睡眠の質も変わってくるのです。

食べたものの記録や体重管理の記録をつけることを習慣にすることは、数字で健康管理を可視化でき、さらにはご自身の体の癖や傾向性がつかめます。

私は30代中ごろから健康診断や人間ドックの記録をすべてパソコンで管理してきていますので40数年の数字の変化が一目瞭然です。

私の場合は体重が60㎏を超えると中性脂肪値、血糖値が正常値を超えて高くなることがわかっています。

ですから日々の体重管理を行うことで健康状況が把握できるようになっています。

健康管理と維持には、健康情報や知識がどんなにあっても、実際の数字に基づいて具体的な行動が伴わないと実現できません。

「まず、やってみよう!」これが第一歩です。



◇GROWTH健康づくり協会  
 #脳科学的栄養学
 https://tkumeji3.wixsite.com/growth
 

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