知的障害のアラサーの息子と元気に生きています。【その5】~息子の現在の生活の中で身についていて良かったこと~ | 櫻行政書士事務所 行政書士 櫻井正明

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櫻行政書士事務所 行政書士 櫻井正明

2020.09.09

知的障害のアラサーの息子と元気に生きています。【その5】~息子の現在の生活の中で身についていて良かったこと~

皆さんこんにちは。櫻行政書士事務所の補助者で、知的障害を持つアラサーの息子と元気に生きている市木です。

今回は知的障害を持つアラサーの息子の現在の生活の中で、身につけておいて良かったなと思うことのお話しをします。

大きくなってから役立っている事

身辺自立

一番役立っていることは「身辺自立」です。ちょっと固い言葉なのでイメージが沸きづらいかと思うのですが、簡単に言うと「日常生活をしていく上で必要な事を自分でできる」ことです。

身の回りのことを自分で出来るようになる事は社会に出て生きていく能力が高くなることにつながります。

朝起きて着替えてトイレや洗面をしてご飯を食べて靴を履いて出かける。帰ってきたら手を洗って夕ご飯を食べてお風呂に入ってパジャマに着替えて寝る。

ざっとこれらのような一日の流れをどれだけ人手をかけないで出来るかということが、ひでくんのような重度の知的障害を持つ子にとっては大切なことになります。

これらのことが出来るようになるまでに健常のお子さんの数倍、もしくは数百倍かかります。
一例を言うならひでくんが着替えを自分で出来るように練習し始めたときには1時間以上かかりました。

トイレも小用の方は5歳頃までに何とかトイレで出来るようになったものの、排便はトイレで出来るようになったのは小学校4年生の頃でした。
(それまではパンツの中にしていました。学校では排便しなかったのでひでくんなりに空気を読んでいたのでしょう)

ひでくんに対して何もしなければ出来ないままだし、やり方を教えようと毎日トイレの便器に座らせて排便を促してはいるものの、いつになったらできるようになるのやら。。

「身辺自立」に関して、一事が万事この調子だったので、「いつになったらできるようになるのか」という見通しがつかない事への疲労感はかなりありました。

この時に先輩のお母さん方から、また療育の支援をしていただいた方々から「できるだけ怒らないように」というアドバイスがありましたが、大きくなったひでくんをみたとき、このとき「できるだけ怒らなかったこと」はすごく大事だったことを実感しています。

アドバイスを受けたときに聞いた失敗例は、
「箸の使い方を厳しく指導しすぎて、本人は大きくなってからも箸を使うことを拒否し、熱いうどんも手づかみで食べるようになった」
「トイレでの排便を厳しく指導していたらかえってトイレでの排便を拒否してカーテンの陰などで隠れてするようになった」
などで、ひでくんが同じようなことになったら大変だ、と思ったものです。

ちなみにどうしてトイレで排便が出来るようになったのかというと、4年生の時宿泊学習があり、私が「ひでくん、お泊りの時はお母さんがパンツを洗ってあげられないよ。どうする?先生にお願いする?」と聞いたら
その日からトイレでする様になったという嘘のようなホントのエピソードがあります。(ここでも空気を読んでいたのでしょう(笑))

少しづつしか「できること」は増えませんが、あきらめずに毎日辛抱強くかかわる事で「できること」は増えていきます。

本人の「できるようになる」ことへの芽を摘み取ることが無いよう、怒ったり、厳しくしすぎたりしていないかどうかは、今でも私自身のひでくんへの対応で気を付けている事です。


TEL:045-350-9369

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