知的障害のアラサーの息子と元気に生きています。【その7】~「感覚統合」について・「感じ方」編~ | 櫻行政書士事務所 行政書士 櫻井正明

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櫻行政書士事務所 行政書士 櫻井正明

2020.11.02

知的障害のアラサーの息子と元気に生きています。【その7】~「感覚統合」について・「感じ方」編~

皆さんこんにちは。櫻行政書士事務所の補助者で、知的障害を持つアラサーの息子と元気に生きている市木です。

知的障害を持つアラサーの息子の現在の生活の中で、身につけておいて良かったと思うことのお話しです。

今回は「感覚統合」についてです。
「感覚統合」は内容的に「感じ方」と「動き方」に分かれますが今回は「感じ方」です。

○感じ方について

この「感じ方」とはそれこそ「視覚」「嗅覚」「聴覚」「触覚」「痛覚」などの人が本能的に持っている感覚をどのように「感じ」ているかです。
これは自閉症だからだと思うのですが、ひでくんは「感じ方の認知」が「混乱」している様です。
「混乱」とは健常の方の感覚より「鈍い」もしくは「過敏」ということになると思うのですが、母親からみると「上手くつながっていないな~」という感じです。

「感じ方」が上手くつながっていないなと実感するこんなことがありました。
まだ障害がわかる前の1歳のころ、熱くなったアイロンで火傷をしたことがあります。

ひでくんが熱いアイロンを人差し指で触ってしまったのですが、私が気づいて手を離すまで動きませんでした。
皮膚科のお医者さんからは「重度の火傷一歩手前までいってます。指紋が無くなるかもしれません。普通は熱いと条件反射で手を離すのですが。。」と言われました。

幸い指紋が無くなるまではいきませんでしたが、今でも皮膚が固くなっています。
ひでくんが自閉症と分かってからアイロン事件について納得したと同時に、「熱いが良くわからない=自分を守ることができない」につながることを改めて認識しました。

今でも感覚は混乱していますが、「感覚を育てる」という療育をしてきました。

たとえて言うとこんな感じです。
◆「熱い」「冷たい」
・・・熱いお湯に手を浸した後、冷水に手を入れて「熱い」と「冷たい」の言葉と感覚をつなげる。

◆「重い」「軽い」
・・・同じ模様のジュース缶を2本用意して、空の缶と粘土を詰めた缶を作り毎日「重いをちょうだい」「軽いをちょうだい」と言いながら手渡し遊びをする。

◆「くすぐったい」を知る
・・・手遊び歌の「大根さん」などで遊んで最後にくすぐる行為をする。

etc

上手くつながっていない「感覚」に関しては「育てる」ですが「過敏」な感覚に関しては刺激を少なくする方法を取っています。
今でも続いていることはこのようなものです。

・小さなころは木漏れ日などを見るのを喜んでいたのですが思春期を過ぎたころから部屋に日差しが入ることが刺激になるらしく寝室は昼からカーテンを閉めています。

・テレビなどの音量は小さく、大きな音や人が怒鳴る場面のある番組はあまり見ない様にしています。(特にサスペンス物は鬼門です(笑))
野球などルールがあって人がきちんと動くスポーツ番組は安心して見ています。

・音に関してはそれほど過敏ではないのですがバイクの爆音は苦手で、車で移動中に出会うと親が慌てて窓を閉めています。

この「感じ方」の違いは個人差がかなりあります。
重度の知的障害もあるのでひでくんがどのように感じているのかを周りが理解するのは今でもかなり大変です。

自閉症本人の方が書いた本を読んだり、自閉症の子育てをしている先輩の体験談を聞いたりすることはひでくんを知る上でもとても参考になりました。

いろいろなところから情報を取り入れて、どのように本人が「感じて」いるかをこれからも理解していければと思っています。


金木犀
TEL:045-350-9369

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