わははまみさん「私をお母さんにしてくれてありがとう」 | 第1回ぐるっとママ懸賞作文

「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

第1回ぐるっとママ懸賞作文

わははまみさん「私をお母さんにしてくれてありがとう」

『この世に生まれてきてくれた奇跡は、あなたが思っている以上に偉大なものです。生まれてきてくれて本当にありがとう。』


あなたが生まれてきてくれて、私の人生は180度変わりました。まさに今、中学2年生のあなたが夏休みの作文課題に楽しそうに挑戦している姿に感動し、私も背中を押されました。
そして、そんなあなたへの恩返しを込めて、私も書いてみようと思います。あなたがどれだけ私を幸せにしてくれたかを・・・。
 
私が、あなたの存在に気が付いたのは、社会人二年目の春、新人として一通り仕事を覚え、いよいよこれから少しずつ戦力になる、そんな矢先でした。体調の異変から恐る恐る検査薬をした日を鮮明に覚えています。
「まずい、どうしよう」
これが私の一番はじめによぎった正直な気持ちです。私のようなダメな人間が赤ちゃんを授かった。またたくさんの人に迷惑をかけてしまう。理想の家族を想像すらできない私にどうやってお腹の子を幸せにできるのだろう。満足に育てることができるのか。先の見えない恐怖、得体のしれない不安で押しつぶされそうでした。
病院で診てもらって、あなたが元気に心臓を動かしている姿を見たとき、涙があふれました。「あぁ、ほんとうに命が宿っている」

初めてもらった、小さな小さなあなたの写真に私は誓いました。何があっても絶対にあなたを守り抜く。これから先、どんなに大変なことが待ち受けていたとしても、あなたのためなら頑張れる。屈折して強がって虚勢ばかりの自分をやめて、素直な自分、陽の当たる道を堂々と歩ける自分になろう。自分よりも愛しい存在がこの世にあると知ったから。その日から、私の人生は色鮮やかな世界にぱっと変わりました。
喜びの中で容赦なく襲ってくるのは、つわりでした。毎日吐き気がして、電車で出勤するのがやっと。つわりが収まった後も、眠気、注意散漫、本当にたくさんの迷惑をこれまで以上にかけてしまいました。それでも、あなたがいつも一緒にいてくれるという感覚は私を悲しみと孤独から救ってくれました。あなたがいてくれたから、乗り越えられた日々でした。

いよいよ出産間近、育児休暇に入り、大きくなったあなたを感じることを優先できる暮らしに幸せいっぱいでした。元気にお腹をけるあなたを感じながら、どんな子だろう、一緒に過ごす未来を夢見てドキドキワクワクでした。
初めに異変を感じて病院に入ったのは深夜0時でした。そこから12時間ほどかけて、あなたはこの世の光を浴びました。初めての出産、怖くていつまでも心が決まらなくて助産師さんに喝を入れられたこともありました。とてもいい思い出です。お母さんが息をしないとおなかの赤ちゃんが苦しいからね!!!その時はっとしました。独りよがりだった自分に気が付きました。
あなたが産声を上げたとき、私は涙があふれました。達成感と充実感でいっぱいでした。キラキラまぶしい光を放つあなたの存在は、この上ないほどの喜びを与えてくれました。うれしくてうれしくて、眠りたいのに眠れない、興奮が止まらなかったことを覚えています。

あなたのおばあちゃんは私に声をかけてくれました。「これからの人生はこの子の成長があなたの歴史になるよ」
私は幼少期からずっと、自分の存在意義がわからなくて人知れず悩んできました。その心の傷を、あなたは生まれてきてくれたことで完全に消し去ってくれました。
私をお母さんにしてくれてありがとう。自信を持たせてくれてありがとう。いつもそばにいてくれてありがとう。この世に生まれてきてくれた奇跡は、あなたが思っている以上に、本当に偉大なものです。私のことを全力で必要としてくれる。私のことを愛してくれて、認めてくれて、どんなに私が未熟でも肯定してくれる。私はあなたのおかげで救われました。
本当にありがとう。生まれてきてくれてありがとう。
 

奈良県 わははまみさん 
題名:私をお母さんにしてくれてありがとう
子どもへ伝えたい言葉:「この世に生まれてきてくれた奇跡は、あなたが思っている以上に偉大なものです。生まれてきてくれて本当にありがとう。」