2021.11.26
年末調整とは?確定申告とは?
金融アドバイザーの加藤理です。
毎年会社に言われるままなんとなく年末調整を行っている方も多いのではないでしょうか。わかります。僕も金融アドバイザーになる前までは、そうでしたから。
会社がやってくれるので、正直、どんなものなのかあまり気にしなくてもなんとかなってしまいますよね。
お金が戻ってくることもあると思いますが、あのお金、実は、「いったん多く払ってしまった税金」なんですよ。年末調整の基礎について紹介します。
年末調整の還付金って何?
給与をもらう会社員は、全員が毎年おこなう年末調整。いったいこれはどういう手続きなのでしょうか。
源泉徴収と言いますが、毎月のお給料から「住民税」や「所得税」等、税金が引かれていますよね。その中でも所得税は、昨年の状況から予測される「おおよその金額」を会社が集めているんです。
そのままだと、現実とは違う額を納めることになってしまうので、12月の「年末」に最終的な年間の収入がわかった時点で「調整」を行うのが、「年末調整」で、毎月徴収されていた税金の額を確認し、過不足金額を調整するんですね。多ければ返ってきますし、少なければ徴収されます。
なお、対象は正社員だけではありません。パートや契約社員、派遣社員も年末調整はすることになります。ただし、1年間の給与の総額に応じて年末調整が不要な事もあります。
年末調整で、還付金、確定申告が不要に
上記の通り、年末調整のメリットは、払いすぎた税金が還付されることです。年末に、その年の最終的な収入や支出を証明するための書類を準備することで、最終的な正しい税金が再計算されます。こうして、一年かけていったん予測で支払った税金のうち、余分に払っていた所得税を返してもらう手続きなんですね。
しかしもう一つ、実感はしにくいですが、実は大きなメリットを得ているんです。実は年末調整は、確定申告を代わりに会社にやってもらうための手続きでもあるんです。個人で確定申告をするとなると、複雑な手続きを自分でしなければならないため、申告を忘れたり、申告漏れが発生したりすることもありえるので、実はとても便利な仕組みなんですよ。
なお、副収入があったり、ふるさと納税の数が多くて年末調整の他にも自分で確定申告することがある場合は、会社での給与の分は年末調整によって計算されているため、手間は減りますが、とくにふるさと納税のワンストップ特例などは無効になるので、確定申告時にも申請を忘れないようにしてくださいね。
いつやるの?年末調整を行う時期
通常は12月に行います。その時期になると会社から必要な書類の提出が求められます。
1年間に支払った給与の総額がわからないと計算できないため、12月に行われるんですよ。
なお、転職した人や退職した人などは、例外的に年の途中で年末調整をしなければいけないことも。該当するかどうか確認してみてくださいね。
2021年から年末調整が楽になった!変更点
これまで書類といえば押印は必須でしたが、2021年に年末調整が変更され、源泉所得関係書類、扶養控除等申告書の押印が不要になりました。
もう一つは電子化。年末調整は紙ベースの書類で行うところが多かったですが、ここ数年で電子化に移行しつつあります。手書きで記入しなくても良いので、より簡単かつスピーディに提出できますね。
独立開業したら、年末調整は?
会社を独立、退職して、フリーランス・個人事業主になる方は増えています。そのような方は、会社員の昨年は年末調整していたけれど、どうしたらよいか困るかもしれませんね。
そもそもですが、全ての人は確定申告が必要ですが、それを会社がまとめて代わりにやってくれるのが、年末調整。フリーランス・個人事業主の方は、本来の形=自分で管理して、自分で税金を計算し、「確定申告」をすることになります。毎年必ず忘れずに行いましょうね。
今回は年末調整について紹介しました。仕組みやメリットを知ることで、きちんと対応できますね。知らないと、いい加減にしてしまい、毎年数万損しているかもしれませんよ。
なお、もしも年末調整で控除し忘れてしまった、なんてことがあったら、修正の確定申告もできます。お得に税金対策するために、確認しましょう!