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第1回「私の子育て」インタビュー 佐藤英郎先生×ぐるっとママ【後編】

2019.06.21

「私の子育て」インタビューシリーズ、佐藤英郎先生の後編です。前半では家族会議ついて語っていただきました。後半は反抗期や受験、現在育児中のママパパたちへのメッセージを語っていただきます。子育て世代のママやパパにぜひとも一読してほしい内容です!
 

「子どもは、親が言っているようにはやらないけど、親がしているようにはする」

 


<佐藤先生の子育て家族構成>
ご本人・妻・長女・長男・次女

 

お子さんの反抗期はありましたか?

佐藤先生:
反抗期はなかったですね、3人とも。

僕は妻に感謝しているのは、僕はほとんど家に居なかったんですけど、子どもとワイワイ話している時に、ママは僕の事を「日曜もいない、土曜も仕事しているけど、パパは素晴らしい人よ。本当にパパは素敵な人なのよ。君たちがいるのはパパのお陰よ」っていつも言ってくれていたんですね。

それをあとで子ども達に聞いて、それは妻に感謝しています。だから多分親に対する尊敬になっているんじゃないかと思いますね。

そうですね…。あの、忘れられない事があって。

将平が中学1年か2年の時に家族でワイワイ話している時に、ママに対して「ウザイ」って言ったんですよ。

そのことをすごく鮮明に覚えていて、その時に私は、もう絶対ここはもう本当に叱らなきゃいけない、将平何事だって言って座れって土下座させて30分ぐらい叱ったんです。

「ママに対してうざいとは何事だ」と、「ママは世界一お前のことを愛しているんだぞ」と、「何よりもパパにとって世界一大切な人だぞ」と、「その人に対してうざいとは何事だと二度と言ってみろ」と言ったのは記憶があって、その時娘たちもママも将平もぴーぴーぴーぴー泣いて、家族全員で泣いていました。もう泣きじゃくって。将平がごめんねって言ってママに対してそれ以来、そういう口の利き方をする事は全くないですね。

-そのうざいって言った時に、彼の意見は聞いたのですか?

聞きました。
どうしてそう思ったんだ?聞くと、洋服を、スポーツをやっていたんでいつも洗濯物に入れるときに、カゴに入れといてねって言ったんだけどカゴに入れないで自分の部屋に置いた。それでママがいちいち取りに行って、将平に何回か言ったらしいんです。その時も「将平洗濯物は脱衣所のカゴに入れといてね」っていうふうに、多分そんな感じだったと思うんですね。その時にウザイって話で。

だからどういう時に絶対叱ったらいいのか、どういう時に叱らなければならないのかっていうのは親としてすごく大事だなって思います。

育て方で子どもにこうなって欲しい、基本的なことに関わることに対して父親は凄く叱る。でもあまりそうでない場合は叱ったことはないです。

-それは常日頃先生が叱らないから驚いたっていう事もありますか?

叱らないっていうのもあるし、話を聞いてあげたのもあるし、それからママはパパにとって大事な人なんだぞと、君たちのお母さんなんだけどパパにとっても大事な人だからねっていうのは言っていたことが大きな要因だと思います。


勉強についてどのように指導を?

中学受験、高校受験、大学受験と3回受験させるのはちょっとどうかなと、普通受験だとだいたい、、、場合によっては小学校受験もあるんだけど、受験をあまりさせたくなかったんです。

それで受験は2回でいいんじゃないかって考えて、中学受験させて中高一貫に入れてそして大学受験、というふうにして2回だけって妻と話をして、そうしようって。

ですから私立の中学に入れようっていう話をして子ども達とも話をして、だから中高一貫に入れて大学行きたければ大学受験って、2回の受験にしましょうって、どう?って。

子供たちも分かったかどうか分からないけど、そうするって言って。ですから小学校は全部公立入れたんです。

中学受験で長男は、中高一貫の海城中学、海城高校行って、長女が渋谷教育渋谷学園です。

一番下の子は立教女学院へ行きました。立教女学院は大学まで一貫しているとこだったんで、受験は中学の立教女学院の受験だけでした。

-受験が二回、高校の時はしないって理由は何かおありだったのですか?

受験っていうのは人生で凄く大事だけれども、もっとおおらかに生きて欲しかった。受験受験ってカリカリさせたくなかった。

僕は司法試験10回落ちているのでその時の自分を考えると精神的にずっとすさんでいたというか、いつもそういうこと考えていてあんまり他の世界が見えなかった。

だから受験は大事で乗り越えるべきハードルだけれども、1回か2回でいいんじゃないのと、っていう感覚だった。あんまりたくさんさせたくなかった。



もし子育てをやり直せるとしたら、どの時代ですか?

佐藤先生:
子ども達の小学校時代、幼稚園か小学校時代に戻りたいですね。そしたら今度は子どものイベントには全部参加したいですね。
思い出が僕にはないんですよ。授業参観には一度も行ったことはないですね。

子どもの運動会、幼稚園に1回だけ行った思い出が強烈なのが残っているの。上の子の幼稚園に行ったのかな、その時写真があるんですけど、子どもをおぶったり走ったり、すごい全力疾走で走ったり、保護者のなかで一番張り切っていたらしいんですよね。

それから将平の大学の東京外国語大学の文化祭に一回行ったことがありました。あと一番下が立教大学のダンス部だったのでその時に発表会を見に行ったことがあります。

それ以外全くないので、僕の中には小さい頃の思い出は家の中の思い出しかないので、子ども達は不満を言ったことないけど私としてはもう一回、そこからやり直したいなって気持ちはありますね。

今はふた月に一回とか、家族全員で集まるイベントをやっているんですね。3人の子どもと娘も旦那も。

小春日和会って言って、小春日和って言うのはワンチャンで、小春と日和っていう二匹の犬が居るので小春日和会っていうLINEを作っていて、そこでふた月に一回食事するだけですけどね、どこか外で全員で集まって食事する場合もあるし、家に来て食事をする場合もあるし、家族全員が集まってただワイワイワイワイ、昔の家族会議の続きですね。僕はあんまり話聞いているだけで「へへへ」って笑っているだけなんですけど。

年に一回は家族全員で泊まり込みの温泉に行くんです。そのお金は僕が全部出すので、そこに行こうって言って、それだけはパパのお願いだからって言ってそこには皆来てくれますね。



さいごに、今の子育て中のパパやママにアドバイスをお願いします。

佐藤先生:
私はアチキッズという子ども研修もやっているんですけど、子どもさんにとっての最大の良い環境は、「親が仲良くしている」事で、一番大事と思います。

親が喧嘩したり仲が悪いっていうのは子どもに対して本当に伝わっていきます。そして子どもは親を責めることはしないので、子どもによっては自分が悪いからだって思います。あるいは親が仲悪いと子どもの脳の発達が遅れたりとか、色々な障害があるので、親がやっぱり仲良くしているっていう環境が一番。

子どもは親が言っているようにはやらないけど、親がしているようにはするので。

だから必ず挨拶をする、おはようって言うとか、お互いパパとママがありがとうって言っていると子どももありがとうって言えるようになる。

それから子どもたちはいつも家で本を読んだり、勉強をしたりする私の姿を見ていたので、勉強に関しては抵抗なかったと思うんですね。

そういう風にしてやっぱり子どもは親が言うようにはなかなかやらないかもしれないけど、親がやるようには絶対やるので、それが最大の教育の環境になります。その辺は親は、自分が子どもの目から見てどういうふうに写っているかというのを注意したほうがいいと思います。

 
 

(佐藤先生、この度は貴重なお時間を頂戴し、取材にご協力して頂き、誠にありがとうございました。)
 
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